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24時間営業が元気印企業への道 -- その3

~対事業所サービスで誕生した24時間営業のニュービジネス2社~

既存の企業が営業時間を24時間化して業績を伸ばす様は前2回で書いた。今回は24時間営業を基本コンセプトに誕生したニュービジネス2社を取り上げる。スピード重視の企業社会において、業績を伸ばす上で、流通業以外の業態においても24時間営業は大きな意味を持つことを、この事例から知ってほしい。

連載の16、17と、24時間営業で躍進する流通業を紹介してきたが、今回は24時間営業を基本コンセプトにして登場してきた、対事業所サービスともいうべき分野のニュービジネス2社について書いてみる。

[キンコーズジャパン]
キンコーズは、コピー・製本、コンピュータサービスを主たる業務としているが、24時間営業年中無休の営業が基本で、自らをビジネスコンビニエンスと称している。
もともとアメリカ生まれの会社だが、住友金属鉱山の修士留学生がアメリカでキンコーズを利用して、これが日本にもあればと提案して、同社がパートナーとなって日本上陸を果たしている。日本に1号店ができたのは、1992年のことだが、今年中には50店舗になる予定だと聞く。

当初は、コピー等々の設備を持たない、小さなオフィスや家庭で仕事をやっている人たち、いわゆるSOHOを主たる顧客と考えられていたが、最近は、アウトソーシングを推進する多くの企業の利用が目立つという。

なぜ24時間営業なのかと問うと次のような答えが返ってきた。

「これはビジネスの特性によるものです。お客様のニーズを大きく分けると、昼間に仕事を持ってこられてすぐにほしいというものと、明日か明後日でいいというものがあります。そこで、昼間に集中して入ってくる仕事の中で、納期が明日以降のものを夜に回して、仕事を24時間に分散しています。私どもは納期がすべてですので、各店にプロジェクトマネジャーが各時間帯にいて、シフト毎に機械のマネジメントをやっています。」

キンコーズの場合には、深夜に訪れる顧客数は昼間の時間の10分の一にまで減るが、この時間帯をコピーや製本等々の作業時間に当てることでスピーディーな納品が可能になり、3000~5000万円もする機械設備の利用効率が高まるのだ。西田社長は、「24時間営業でないと、キンコーズはキンコーズになり得ない。」とまでいう。

[インフォプラント]
マーケットリサーチ版のキンコーズともいえるのが、オンラインによるリサーチを主たる業務とするインフォプラントだ。もともとテレビ番組の制作に携わっていた創業者がはじめた事業だという。テレビ製作の現場では、企画に合った取材対象者やデータをスピーディーに集めることが求められる。従来は人海戦術でデータを集めまくっていたのだが、時間も費用もかかってしまう。これを簡略化すべく考え出されたのが、同社のオンラインによるマーケティングリサーチ事業だ。

仕組みは次のようになっている。

顧客から調査依頼を24時間対応で受け付け、同社の現在六万人いる会員の中から該当者を選んでメールでアンケート調査内容を告知、24時間以内に調査結果をクライアントに報告する。24時間受け付け、24時間以内に結果報告するというスピードにプラスして、100サンプル五万円という低価格が魅力となって調査依頼が急増しているという。

最近の状況をプランニング・チーム・マネージャーの星恵美子さんが次のように語っている。

「メディアだけでなく、一般企業のニーズが非常に高くなってきました。たとえば、企画のプレゼンを社内でやる場合に、自分の企画の裏づけとなるデータがほしいということで調査を依頼される方がいます。また、代理店などだと、プレゼン用に至急データがほしいなどと、(夜の9時ぐらいに担当者が電話をかけてこられ、うちは24時間ですよというと安心されますね。)夜のニーズがとても多いんです。

ここ数年来、経営の現場において、スピードが重視されるようになってきた。今日頼んで明日答えがほしいというケースも増えるばかりだ。キンコーズ、インフォプラントのいずれも、スピード重視の企業社会の中で必然的に生まれた24時間対応ビジネスといえるだろう。

著者プロフィール

疋田 文明(ひきた ふみあき)
有限会社 ABO
経営コンサルタント・元気塾主宰
日本交通公社(JTB)勤務後、中小企業経営者を対象とした各種セミナーの企画・運営会社等々を経て、1979年に竹村健一未来経営研究会を企画設立し事務局長に就任。1986年に竹村健一氏のもとから独立。現在、フリーランスのライターとして活躍中。
http://www.hikita10.jp

[2000年9月23日 掲載]


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