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リスク・マネジメント最前線

第4回 事業継続計画(BCP)

「事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)」は、「事業継続マネジメント(BCM)」に取り組んだ結果として、できあがった計画部分です。事故・災害等によって重要業務が中断したとしても、事業の継続を可能とするために立案する計画を指します。

英国規格協会の「事業継続マネジメントの指針: Guide to Business Continuity Management」では、「潜在的損失によるインパクトの認識を行い実行可能な継続戦略の策定と実施、事故発生時の事業継続を確実にする継続計画。事故発生時に備えて開発、編成、維持されている手順及び情報を文書化した事業継続の成果物」と定義しています。

事故や災害の被災を受けた企業の事業継続を確実にするのが目的です。当初は、被災企業の生産中断によって災害被災を受けていない取引先の経済活動が大きな影響を受け、結果的に被害が拡大するのをどう阻止するかにありました。しかし、現在では、適用範囲を企業だけではなく政府や地方自治体などの団体にも拡大しています。さらに生産分野だけに限らず企業のあらゆる分野にわたっています。

BCPは次のようなサイクルを回すことが必要です。

特に事業の理解とBCP文化の定着が重要です。全ての部署の事業を知っている社員は、ほとんどいません。ですから、全社員が各事業の情報共有をしなければならないのです。さらに、全員でBCPを推進するのだ!という意識を持つことが大切です。
取組みの手順は次のとおりです。

  1. BCPプロジェクトの開始(推進体制、予算など)
  2. 事業リスクと緊急事態のインパクト評価
  3. 緊急事態への準備
  4. 災害復旧に関する事項
  5. 事業復旧に関する事項
  6. 計画のテスト
  7. 教育訓練
  8. 計画の維持・更新

この手順を実施するためには、まず経営陣の関与が不可欠です。

この中で対応マニュアルが必要となるのは、(3)~(5)です。また、(1)の推進体制や予算を決めておかなければBCPが機能するわけがありません。マニュアルと活動計画・活動予定のプログラムを一体化したものがBCPなのです。

忘れてはならないのが、BCPを発動する「きっかけ」をきちんと決めておくことです。あまりに低い段階で発動してしまえば、空騒ぎになるかもしれません。しかし、様子を見すぎて手遅れになってはなりません。

たとえば、鳥インフルエンザ対策では、報道による患者の発生が500人を超えたときに、三段階目の警報を発動し、あらかじめ決めておいた事務部門が在宅勤務に切り替わる・・・といった具合です。

中小企業庁が勧めるBCPステップアップには、基本コース(1~2日)、中級コース(3~5日)、上級コース(1週間以上)があります。最初は基本コースで簡略版を作ってから、中級コースに進むのがよいでしょう。各コースの説明や様式類は、同庁の「中小企業BCP策定運用指針」からダウンロードできますので利用してください。

中小企業診断士 阿部 将美
[2009年1月30日 掲載]


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