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第11回 天災など不可避なリスクのマネジメント

不可避なリスクとは

不可避なリスクとして、地震や台風などの天災があげられます。いずれもわが国では発生頻度の高い天災といえます。地震は建物の倒壊やインフラストラクチャーの破壊だけでなく、さらに火災や津波なども引き起こします。企業においてもこうした不可避なリスクについて対応計画を立てておく必要があります。

日常の準備や訓練が重要

地震や災害が発生した直後は、多くの企業において、その恐怖や受けた被害の巨大さから、次の災害時に備えた準備や訓練がおこなわれます。実際に災害直後には防災グッズが飛びように売れています。しかし、災害から時間を経過するにしたがって、「喉元過ぎれば、熱さを忘れる」という諺のように、こうした非常時への取り組みに対する緊張感がなくなる傾向があります。そして、一般的に企業の災害訓練や非常時の責任者が異動などで交代すると、訓練が形式化したり、頻度が減少するようになります。

非常時の顧客サービス体制

コンピュータメーカーのA社は、阪神大震災が発生した際にも迅速な顧客対応を実施して注目されました。A社は非常事態に備えて、24時間体制で顧客サービス要員を確保するとともに、オートコールシステムを導入し、コンピュータに異常が発生した場合にはすぐに対応できるように、平常時から訓練していたこともありました。A社では、非常用時の食料や設備の責任者が交代する場合には、引継ぎ事項を徹底し、また、トップが緊急時には責任者に直ちに指示できる体制を確保しています。

食料品製造業のB社では、非常時に備えて工場の近隣の消防署と共同で消防訓練をおこなっています。また、社員の消防士資格取得者も増やしています。非常時の対応については、B社のように社内の定期的な訓練だけでなく、地域社会とも連携を確保し、社外組織との共同訓練も必要となってきます。

非常時を想定したITインフラの整備

阪神大震災の際には、テレビやラジオといったマスメディアよりもインターネットが重要な役割を果たしたことが伝えられています。とくに被災者の状況や避難先といった個人の安否情報の伝達に大きな力を発揮しました。安否情報は家族や親戚、知人にとって最も重要な情報ですが、マスメデイアでは必ずしも十分に伝えることができませんでした。
ITは日進月歩で進んでいます。阪神大震災時に比べて現在は、携帯電話や無線ネットワークなどの技術は格段に進歩しています。非常時の対応を想定して企業のITインフラを整備し、定期的にレベルアップを図っていくことが望まれます。

中小企業診断士・ITコーディネータ 林 誠
[2006年3月9日 掲載]


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