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第4回 物的資産への直接被害のリスクマネジメント

物的資産とは

企業が有する資産は、経営資源として利益を生み出す源泉となるものです。そのうち、目に見えるもの、形を有するもの全てが物的資産と呼ばれます。わかりやすい例では、不動産や建物、各種生産設備などを挙げることができるでしょうか。その他、例えば自動車やコンピュータなども広い意味では物的資産として扱われます。

物的資産に被害を与える脅威

上述した物的資産に対して、何らかの形で被害を与える脅威にはどのようなものがあるのでしょうか。物的資産に対する脅威には、大きく分けると2つの種類のものが存在しています。

1つは事故によるものです。代表例として挙げるとすれば、火災による建物や生産設備の損失がよい例でしょうか。その他にも、工場等における配管の破裂や爆発事故、工事現場等における物体の落下や倒壊、建物内の整備不足に由来する漏水等による水漏れ、そこから派生する電気的な事故などを挙げることができます。また、盗難も一種の事故として考えればここに含めることもできます。

もう1種類の脅威は、自然災害によるものです。地震や津波による建物の倒壊や火災、台風や集中豪雨による水災、落雷による火災、風災や雪害による建物の倒壊などを挙げることができます。

物的資産に対する脅威の特徴

これらの脅威には、共通して挙げられる特徴が存在することにお気づきでしょうか。これらの脅威から生じるリスクを回避するのは、非常に困難だと言うことです。事故に関しては、原因が人為的なものであれ、原因不明の不慮の事故によるものであれ、一旦発生してしまうと、回避することは非常に困難です。自然災害に至っては、ほぼ回避不可能と言っても過言ではないでしょう。

しかしながら、物的資産無しではほとんどの業種では、利益を生み出すことはできません。従って、リスクマネジメントの観点からすると、「軽減」と「転嫁」の2つの策のどちらかを採用、あるいは併用するのが一般的です。

物的資産に対するリスク軽減

物的資産への脅威を軽減する策の例としては、例えば、建物を構築する際に免震構造を採用する、自動消火装置を建物内に設置するなどの対策が考えられます。もちろん、事故防止の観点から、従業員への安全教育や建物・設備の定期的検査も有効な対策です。

物的資産に対するリスク転嫁

損害保険による第三者、つまり損害保険会社へのリスク転嫁がこれに相当します。火災保険等の契約を結び、被害発生時に金銭的に損害を補填することで、物的資産の損失を補うという考え方です。ただし地震の場合、火災保険は免責されてしまいますので、注意が必要です。

ここで注意すべきなのは、リスク軽減とリスク転嫁、どちらを採用すべきか、あるいはどちらにどれだけの費用を投じるべきなのかを決定するには、その物的資産の価値を持っているのかを、できるだけ正確に把握しておく必要があるということです。その判断を下すとき、物的資産価値が低い場合には「リスク許容」と言う選択肢を採用すべき、という結論に至る可能性があることも忘れないようにしておきましょう。

ITコンサルタント 小松 信治
[2005年9月21日 掲載]


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