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第4回 「研究開発の解決策」
【中堅・中小企業の研究開発】
経営資源が比較的乏しい中堅・中小企業にとって研究開発費が大きな負担になっていることは以前指摘しました。その上で中堅・中小企業は経営資源が蓄積できるまでは特定の事業や研究開発分野に経営資源を集中させざるを得ないことも指摘した通りです。
このようなリスクを低減させる方法として、産学共同研究による研究機関との共同研究や、顔の見えるネットワークによる中堅・中小企業の連携による共同研究の必要性が高まっています。現在のように環境変化の激しい時代は昨日までの先端技術が陳腐化することが珍しくありません。このような時代を乗り切るためにも、常日頃から研究開発を継続することと、研究開発のリスクを分散させることの必要性が益々高まっています。現在ほど自前主義で全ての研究開発に伴うリスクを丸抱えするのではなく、研究開発に伴うリスクを上手く分散して棲み分けを行う必要のある時代はないと言えるでしょう。
【研究開発における他企業との連携の効果】
中小企業白書によると、研究開発において他企業との連携を行っている中堅・中小企業の割合は、従業員101人以上の規模で80.0%であり、20人以下の規模の企業でも7割を超えています。技術の専門化や高度化が進んでいる昨今では、研究開発における他企業との連携の重要性を経営側が理解してきていると言えるでしょう。
研究開発の成果には、生産コストの削減、リードタイム短縮、歩留まりの向上など様々なものがありますが、中小企業白書では研究開発が特許の取得に結びついたかを成果の指標としています。
また中小企業白書によると、販売先や調達先などの日常から取引関係のある企業との連携は、特許取得の成果ありとする企業と成果なしとする企業の差があまりありません。これに対して、「販売先・調達先以外の取引先」、「取引関係のない企業」、「大学、研究機関」との連携は、他の連携先と比較して、特許取得の成果ありとする割合が高く、成果なしとする割合が低くなっています。
つまり、特許の取得という観点からは、日頃から付き合いのない者と連携して研究開発を行った方が成果を得られやすいと言えます。
これは日常から取引関係のある企業同士では、お互いの強みや弱み等の技術的特徴が似てくるため、連携した場合の相乗効果に乏しいことが考えられます。経営としては、取引関係のある企業や同業他社との交流のみならず、全くの異業種間交流や地域内交流だけでなく、インターネットを通じたネットワーク作りを積極化して各企業や研究機関との接触を持っていくことが必要になります。
特にインターネットを使用したネットワークは、国や時間を問わずに何時何処であってもお互いのノウハウを活用することが出来ますので、今後の活用が期待されます。
中小企業診断士 吉川 尚登
[2008年7月25日 掲載]
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