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研究開発の留意点と「進め方」

第2回 「研究開発の方向性」

第2回目は「研究開発の方向性」に関して考えていきます。中堅企業は大企業に比較すると、研究開発を進めるに当たって不利なことが多いものです。特に近年の世界規模での大競争時代に突入すると、世界規模の経済を目指して大企業が巨額な研究開発費を計上して、デファクトスタンダード(業界基準、事実上の基準)を確立してしまうことがあります。
中堅企業が独自の技術や存在感を保つためには、したたかな生き残り戦略を立案することが必要です。

中堅企業にとって研究開発は、重い負担になりつつあります。経営資源が大企業より劣る中堅企業が研究開発を継続して行い、持続的な成長を遂げるには大企業とは別の方法で研究開発を行う必要があります。

具体的には、第一に自社が研究を行う事業領域(ドメイン)を明確化することです。ドメインを明確化しない限り、限られた経営資源を投入する研究開発は、極めてリスクの高いものか趣味的なものになってしまう可能性があります。企業経営は常に中長期的な成長・発展を目指すべきであり、経営者は常に現在行われている研究開発が、自社の将来の成長・発展にとって有意義であるか否かを自問自答する慎重さが必要です。たとえ多額の開発費用を掛けた案件であっても、将来性がないと判断すれば研究開発を中断・断念する勇気も、経営者には必要不可欠な資質です。

研究開発の案件を評価するには、常にマーケットの動向を注視し、マーケットが現在その研究開発を必要としているかという視点で案件を評価することが重要です。どれ程優秀な技術や製品であっても市場に受け入れられなければ無意味であり、その意味ではマーケットリサーチは大企業以上に中堅企業にとっては重要性を持っています。

研究開発は基礎研究と実用研究の双方がありますが、中堅企業は実用研究が主体になるでしょう。理由は研究開発の成果を出来るだけ短期間で業績に結び付けることが求められるからです。実用研究は自社が持っている強みを応用することで開発につなげられるので、基礎研究に比較すれば、短期間で容易に収益の増加が期待出来ます。

中堅企業にとって実用研究が研究開発の主体になることはやむを得ませんが、一方で基礎研究も必要となります。基礎研究は将来の環境変化に対しての保険とリスク分散との双方の意味があり、環境の激変に対する抵抗力を持つために基礎研究は必要です。

基礎研究は多くの資金と多数の人材が必要になるので、中堅企業が単独で取り組むのは困難があります。詳しくは別途ご説明しますが同業種・異業種や研究機関との連携が重要になります。特に研究開発に関しては機密性が必要となる為全てを自前主義でしなければならないと考え勝ちですが、他社との連携を考えることがこれからの時代には特に重要になります。

中小企業診断士 吉川 尚登
[2008年5月29日 掲載]


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