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第1回 「研究開発の目的」
今後7回に渡って中小企業における研究開発の留意点と「進め方」に関して考えて行きます。
第1回目の今回は「研究開発の目的」について考えます。
企業経営は永続的・持続的に成長・発展が求められており、企業はゴーイングコンサーン(企業の永続的継続)が要求されます。
企業が永続的・持続的に成長・発展するには設備投資と研究開発との2つの要素が重要です。言わばこの2つは企業経営にとって車輪の両輪であり、この2つの要素を効果的に行うことが企業のゴーイングコンサーンにとって決定的影響を及ぼすと言っても過言ではありません。
ゴーイングコンサーンに関してCSR(企業の社会的責任)が喧伝されますが、企業は社会的責任のみが必要ではありません。企業は顧客の希望や要望を満たし、収益を上げることで株主や従業員・顧客等のステークホールダー(利害関係者)に収益を還元し、税金を納めて国・地方公共団体の社会福祉に貢献することが求められます。
研究開発の意義とは、企業が社会に貢献することにより、結果として企業発展に必要不可欠な経営戦略の一端を担うことにあります。言わば研究開発は積極的な意味での社会への貢献であり、経営における研究開発の重要性は強調して過ぎる事はないでしょう。
特にトップマネジメントにおいては、研究開発が企業の成長戦略においてどれ程の重要性を担っているかに関して、認識の格差があると感じるのは筆者だけではないと思われます。企業が固有技術の確立を疎かにすれば、その企業の成長発展は望めないと考えられます。
収益向上の為には、自社の持つ強みを更に強くすることや、自社の強みを他分野に展開することが必要です。具体的には次回以降詳細を考えて行きたいと思いますが、大企業と異なり中堅企業以下の企業にとっては、差別化の為の研究開発負担は経済的・人材的に相当重くなっています。
しかし規制緩和が各業界で進み、世界規模での大競争時代に突入した現在において、ニッチな分野であっても独自の強みを活かした事業展開を行わなければ、ゴーイングコンサーンは困難です。今ある強みを更に強くすることや、今ある強みを他の分野に展開することで収益を上げるか、今は未だない強みを研究開発によって開発して収益を上げるかは各企業によって異なります。しかし大企業でない限り、経営資源の問題もあり、全く白紙の状況から新規の収益源開発は困難でしょう。
研究開発の目的は、自社の強みを確立して企業の継続的発展を促すことですが、その為には自社の実情を客観的に認識する経営トップの現状認識と、企業を継続的に発展させる経営ビジョンの策定が最も重要であることを、再度銘記するべきです。
中小企業診断士 吉川 尚登
[2008年4月24日 掲載]
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