年金パーフェクトガイド
第11回 その他の遺族給付
1.寡婦年金
(1)受給要件
子のない妻には、遺族基礎年金は支給されませんが、次の要件を満たすと国民年金独自の給付として60歳から65歳になるまでの間、寡婦年金が支給されます。
- 夫の死亡日において、死亡日の属する月の前月までの夫の第一号被保険者(任意加入被保険者を含む)としての保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が原則として25年以上あること
- 妻は夫の死亡当時、夫によって生計を維持していたこと
- 妻は、夫との婚姻関係(事実上の婚姻関係を含む)が10年以上継続したこと
- 妻は夫の死亡当時、65歳未満であること
- 死亡した夫が障害基礎年金の受給権者であったことがないこと、または老齢基礎年金の支給を受けていないこと
(2)支給期間と年金額
寡婦年金は、夫の死亡当時、60歳以上の妻には夫の死亡日の属する月の翌月から、夫の死亡当時、60歳未満の妻には60歳に達した日の属する月の翌月から支給されます。
寡婦年金の年金額は、死亡した夫が受けるはずだった老齢基礎年金の年金額(平成20年度価額)の4分の3に相当する額です。死亡した夫の死亡日の属する月の前月までの国民年金の第一号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間および保険料免除期間に基づき、次のように計算されます。なお、死亡した夫が付加保険料を納付していたことがあっても、付加年金に相当する加算はありません。

(3)失権
寡婦年金の受給権は、妻が次のいずれかに該当したときは消滅します。
- 65歳に達したとき
- 死亡したとき
- 婚姻(事実上の婚姻関係を含む)したとき
- 直系血族または直系姻族以外の養子(事実上の養子縁組関係を含む)となったとき
- 繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権を取得したとき
(4)支給停止
寡婦年金は、夫の死亡について労働基準法の規定による遺族補償が行われるときは、死亡日から6年間、その支給が停止されます。
2.死亡一時金
(1)受給要件
国民年金の第一号被保険者が老齢基礎年金または障害基礎年金のいずれも受給せずに死亡した場合、遺族に国民年金独自の給付として死亡一時金が支給されます。死亡一時金の支給を受けるには、死亡した者について次の要件を満たしていることが必要です。
- 死亡日の前日において、死亡日の属する月の前月までの第一号被保険者としての被保険者期間について、保険料納付済期間の月数と保険料免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数および保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数が36月以上あること
- 老齢基礎年金または障害基礎年金の支給を受けたことがないこと
(2)遺族の範囲
死亡一時金を受けることができる遺族は、被保険者または被保険者であった者の死亡の当時、その者と生計を同じくしていた次の者で、この順位によります。
死亡一時金を受けるべき同順位の遺族が2人以上いる場合には、その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人についてした支給は、全員についてしたものとみなされます。
妻- 子
- 父母
- 孫
- 祖父母
- 兄弟姉妹
死亡した者により遺族基礎年金を受けることができる遺族がいるときには死亡一時金は支給されません。ただし、遺族基礎年金の受給権者が子であって、その子と生計を同じくする父または母があることにより、遺族基礎年金が支給停止されている場合には、死亡した者の配偶者に死亡一時金が支給されます。
(3)死亡一時金の額
死亡一時金は、死亡日の属する月の前月までの第一号被保険者(任意加入被保険者を含む)期間のうち、保険料納付済期間の月数と保険料免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数および保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数に応じた額となっています。
なお、付加保険料の保険料納付済期間が3年以上ある場合には、死亡一時金に8,500円が加算されます。
| 保険料納付済期間等 | 支給額 |
|---|---|
| 36月以上180月未満 | 120,000円 |
| 180月以上240月未満 | 145,000円 |
| 240月以上300月未満 | 170,000円 |
| 300月以上360月未満 | 220,000円 |
| 360月以上420月未満 | 270,000円 |
| 420月以上 | 320,000円 |
死亡一時金を受けることができる者が、同一人の死亡により同時に寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、いずれかを支給し、他は支給されません。
人事労務コンサルタント / 社会保険労務士 金子 賢一
[2009年3月12日 掲載]
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