年金パーフェクトガイド
第9回 遺族年金(1) (遺族基礎年金)
1.遺族基礎年金の受給要件
遺族基礎年金は、国民年金の被保険者や被保険者であった方が死亡した場合にその遺族に支給される年金です。遺族基礎年金を受けるには死亡した方が、その死亡の当時以下のいずれかの要件を満たしていることが必要です。
- 国民年金の被保険者が死亡したとき
- 国民年金の被保険者であった方で、日本国内に住所がある60歳以上65歳未満である方が死亡したとき
- 老齢基礎年金の受給権者が、死亡したとき
- 老齢基礎年金の受給資格期間を満たした方が死亡したとき
(1)または(2)に該当する場合には、次のいずれかの保険料納付要件を満たしていることが必要です。
- 死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が、3分の2以上あること
- 死亡日が平成28年4月1日前の場合は、死亡日において65歳未満であり、死亡日の属する月の前々月までの1年間に保険料滞納期間がないこと
2.遺族の範囲
遺族基礎年金を受けることができる遺族は、被保険者または被保険者であった方の死亡の当時、その方によって生計を維持していた妻(子のある妻)または子です。遺族基礎年金は配偶者(妻が死亡した場合)であっても夫には支給されません。また、妻については、子と生計を同じくしていること、子については18歳に達した日以後最初の3月31日までにあるか、20歳未満で障害等級1級または2級の障害の状態であり、かつ、現に婚姻をしていないことが要件となります。
なお、被保険者または被保険者であった方の死亡の当時胎児だった子が生まれたときは、将来に向かって、その子は死亡の当時死亡した方によって生計を維持していたものとみなし、妻は、その方の死亡の当時その子と生計を同じくしていたものとみなしてその子が出生した日に妻および子は遺族基礎年金の受給権を取得します。
3.遺族基礎年金の年金額
遺族基礎年金は被保険者期間にかかわらず定額で支給されます。遺族基礎年金の年金額は満額の老齢基礎年金と同じく792,100円です。遺族基礎年金には、遺族となる子の数に応じて、以下の年金額が加算して支給されます。
- 子(2人目まで)227,900円
- 子(3人目以降) 75,900円
したがって、例えば遺族である妻に2人の子がいた場合の遺族基礎年金は、1,247,900円(792,100円+227,900円×2)になります。子のみが受給権者で子が3人いた場合には、年金額の総額は、1,095,900円(792,100円+227,900円+75,900円)ですが、3人がそれぞれ受給権者となるため1人あたりの年金額は365,300円(1,095,900円÷3)になります。
4.年金額の改定
妻が遺族基礎年金の受給権を取得した当時胎児であった子が生まれたときは、その翌月から年金額が改定されます。(増額改定)妻に支給される遺族基礎年金について、受給権者である子が2人以上いる場合で、その子のうち1人を除いた子が次のいずれかに該当する場合はその翌月から年金額が改定されます。(減額改定)
- 死亡したとき
- 婚姻(事実上の婚姻関係を含む)したとき
- 妻以外の養子(事実上の養子縁組関係を含む)となったとき
- 離縁によって死亡した被保険者または被保険者であった者の子でなくなったとき
- 妻と生計を同じくしなくなったとき
- 18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき(障害等級1級または2級の障害状態にあるときを除く)
- 障害等級1級または2級の障害状態にある子について、その事情がやんだとき(その子が18歳に達した日以後最初の3月31日までの間にあるときを除く)
- 20歳に達したとき
子に支給される遺族基礎年金については、遺族基礎年金の受給権者である子が2人以上いる場合で、その子の数に増減が生じたときは、その翌月から年金額が改定されます。
5.支給停止
妻が遺族基礎年金の受給権を有するとき、または生計を同じくするその子の父若しくは母があるときは、子に対する遺族基礎年金はその間支給停止されます。受給権者である妻または受給権者である子が2人以上いる場合で、その子のうち1人を除いた子が1年以上所在不明のときは、受給権を有する子または他の子の申請により、所在不明となったときに遡って妻や子の遺族基礎年金が支給停止されます。ただし、支給停止を受けた遺族は、いつでも支給停止の解除を申請することができます。

6.失権
失権とは遺族基礎年金の受給権が消滅することです。遺族基礎年金の受給権は、受給権者が次のいずれかに該当する場合には、消滅します。
【妻と子に共通の失権事由】
- 死亡したとき
- 婚姻(事実上の婚姻関係を含む)したとき
- 直系血族または直系姻族以外の養子(事実上の養子縁組関係を含む)となったとき
【妻のみに適用される失権事由】
子のすべてが、4.の減額改定事由に該当するとき
【子のみに適用される失権事由】
- 離縁によって死亡した被保険者または被保険者であった者の子でなくなったとき
- 18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき(障害等級1級または2級の障害状態にあるときを除く)
- 障害等級1級または2級の障害状態にある子について、その事情がやんだとき(その子が18歳に達した日以後最初の3月31日までの間にあるときを除く)
- 20歳に達したとき
人事労務コンサルタント / 社会保険労務士 金子 賢一
[2009年1月15日 掲載]
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