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年金パーフェクトガイド
第4回 老齢年金(2) - 60歳代後半の老齢厚生年金 -

1. 老齢厚生年金の受給要件

老齢厚生年金を受けるには老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていることが必要です。老齢基礎年金の受給資格期間を満たし、かつ、厚生年金の被保険者期間が1カ月以上ある人は、65歳から老齢厚生年金を受けることができます。

老齢基礎年金の受給資格は、原則として保険料納付済期間と保険料免除期間を合算して25年(300月)以上あることです。民間企業に勤務して厚生年金の被保険者であった20歳以上60歳未満の期間は、国民年金の第2号被保険者としての保険料納付済期間になります。

したがって厚生年金の被保険者であった期間が25年以上ある人は、老齢基礎年金の受給資格を満たしており、同時に老齢厚生年金の受給資格も満たすことになります。老齢基礎年金を受けられることが、老齢厚生年金を受けられる条件になっており、これが二階建ての年金制度といわれる所以でもあります。老齢厚生年金を受けられる人は、65歳から老齢基礎年金を合わせて受けることになります。老齢厚生年金も老齢基礎年金と同じように終身年金です。

2. 老齢厚生年金の年金額

(1) 報酬比例部分

老齢厚生年金の年金額は、当分の間、報酬比例部分に経過的加算を加えた額に、加給年金額を加算した額です。

老齢厚生年金=報酬比例部分+経過的加算+加給年金額

報酬比例部分の年金額は、下記、[1]+[2]の合計で計算されます。二つの異なる計算式による理由は、平成15年4月の総報酬制導入により、給与、賞与ともに保険料が徴収されるようになり、賞与が年金給付の算定基礎となったためです。

[1]平成15年3月以前の期間

平均標準報酬月額注1×10~7.5注2/1,000×被保険者期間月数×1.031×物価スライド率注3

[2]平成15年4月以後の期間

平均標準報酬月額×7.692~5.769/1,000×被保険者期間月数×1.031×物価スライド率

注1 [1]の平均標準報酬月額は、平成15年3月以前の被保険者期間に係るもの。[2]の平均標準報酬月額は、平成15年4月以降の被保険者期間に係る各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を当該被保険者期間月数で除したもの
注2 生年月日に応じた乗率
注3 物価に応じた乗率(平成20年度0.985)

ここで平均標準報酬額が36万円で、22歳から60歳までの38年間(456月)厚生年金の被保険者だった人を例に年金額を計算してみます。生年月日に応じる上率は7.5/1,000で、計算を簡略化するため平成15年4月以降の被保険者期間はなかったもとのとします。

360,000 × 7.5/1,000 × 456 × 1.031 × 0.985 = 1,250,300円(100円未満端数処理)

この人が仮に60歳以降国民年金に2年間任意加入すると、65歳から満額の老齢基礎年金(平成20年度価額792,100円)が合わせて支給されます。

(2) 経過的加算

特別支給の老齢厚生年金の定額部分は、65歳に達すると、国民年金から老齢基礎年金として支給されます。ただし、当分の間は、老齢基礎年金より定額部分のほうが高額となるため、その差額を経過的加算として老齢厚生年金に合わせて支給することになっています。

(3) 加給年金額

厚生年金の被保険者期間が20年(中高齢の受給資格期間の短縮特例に該当する人は、生年月日に応じて19年~15年)以上ある老齢厚生年金の受給権者は、生計を維持する配偶者や18歳に達する日以後最初の3月31日までにある子、20歳未満で障害等級1級・2級の障害の状態にある子がいる場合には、以下の加給年金額(平成20年度価額)が老齢厚生年金に加算して支給されます。

配偶者(妻または夫)227,900円
子(2人目まで)227,900円
子(3人目以降)75,900円

さらに配偶者加給年金額の特別加算として老齢厚生年金の受給権者の生年月日に応じて33,600円~168,100円(平成20年度価額)が加給年金額に加算されます。配偶者加給年金額(特別加算を含む)は、配偶者が65歳になると老齢基礎年金を受けられるようになるため支給されなくなります。代わりに老齢厚生年金の配偶者加給年金額の対象となっていた配偶者(昭和41年4月1日以前生まれに限る)の老齢基礎年金には、その人の生年月日に応じて15,300円から227,900円(平成20年度価額)が加算されます。(振替加算)

3. 老齢厚生年金の繰下げ支給

平成19年4月1日以降に老齢厚生年金の受給権が発生した人(昭和17年4月2日以降生まれの人)は、66歳から70歳までの希望する時期から繰下げて老齢厚生年金を受給することができます。この場合、年金額は老齢基礎年金の繰下げと同様に繰下げた期間(最大60月)に応じて増額されます。(増額率=0.7%×繰下げ月数)

人事労務コンサルタント / 社会保険労務士 金子 賢一
[2008年8月7日 掲載]


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