年金パーフェクトガイド
第3回 老齢年金(1) - 老齢基礎年金 -
1. 老齢基礎年金を受けるには
老齢基礎年金は、国民年金の老齢年金です。老齢基礎年金を受けるには、原則として保険料納付済期間と保険料免除期間を合算して25年(300月)以上あることが必要です。保険料納付済期間は、第一号被保険者として保険料を納付した期間、第二号被保険者及び第三号被保険者のうち20歳以上60歳未満であった期間をいいます。昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までのうち被用者年金制度(厚生年金、共済年金の総称)の被保険者又は組合員だった期間も保険料納付済期間となります。
保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせて25年に満たない場合には、合算対象期間(通称、カラ期間)を合わせて25年以上あれば老齢基礎年金を受けることができます。合算対象期間には以下のようなものがあり、受給資格期間には算入できますが、年金額の計算の基礎にはなりません。
合算対象期間
- 昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの間で配偶者が厚生年金、共済組合に加入していて、本人が何の年金にも加入しなかった期間
- 学生であって、昭和36年4月1日から平成3年3月31日までの間で、国民年金に任意加入しなかった期間(20歳以上60歳未満の期間に限る)
- 学生であって平成12年4月1日以降、学生納付特例制度を受けた期間(20歳以上60歳未満の期間に限る)
- 昭和36年4月1日以降、在外邦人で20歳から60歳までの間で海外に在住していた期間
- 昭和36年4月1日以降の厚生年金の期間で脱退手当金を受けた期間(昭和36年4月1日以降に免除を含む保険料納付済期間を有する場合に限る)や共済組合の退職一時金を受けた期間
- 昭和36年4月1日前の厚生年金保険などの被保険者期間で通算対象期間
になるもの
受給資格期間の短縮特例
昭和31年4月1日以前に生まれた人で被用者年金制度の被保険者又は組合員であった期間が生年月日に応じて24年~20年以上あれば、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしたとみなされます。また、昭和26年4月1日以前に生まれた人で40歳(女性は35歳)以降の厚生年金の被保険者期間が生年月日に応じて19年~15年以上あれば、同様に受給資格期間を満たしたとみなされます。
2. 老齢基礎年金は、満額で792,100円
老齢基礎年金は原則として65歳から支給されます。年金額は、満額で792,100円です(平成20年度価額)。老齢基礎年金は、終身年金です。一度受給したら死亡するまで受けることができます。実際の年金額は、以下の計算式に基づいて算定されます。20歳以上60歳未満の加入可能期間(原則40年)すべて保険を納付した場合(納付したとみなされる場合も含む)に満額の年金が支払われる仕組みです。国民年金に未加入だった期間や保険料の未納期間、保険料免除期間があるとそれだけ将来受け取る年金が減ってしまいます。
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(注)4分の1免除期間は5/6、半額免除期間は2/3、4分の3免除期間は1/2、学生納付特例等の免除期間で追納がない期間は不算入
3. 年金額を増やす任意加入被保険者制度
老齢基礎年金を受けていない日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満の人で、受給資格期間の足りない人や過去に未納期間などがあり満額の老齢基礎年金を受けられない人は、国民年金に任意加入することができます。任意加入被保険者となることで将来受け取る年金を増やすことができます。昭和30年4月1日以前生まれの65歳以上70歳未満の人で、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない人は、65歳以降受給資格を満たすまで任意加入することができます。
4. 年金の繰上げ、繰下げ
老齢基礎年金は原則65歳から支給されますが、最大5年間繰上げて受け取ることができます。ただ、繰上げると繰上げたときの年齢に応じて支給額(付加年金を含む)は生涯減額されてしまいます。60歳から65歳になるまでどの年齢から年金を受け始めてもほぼ77歳で合計受給額は同じになります。また、最大5年間繰下げて年金を受けることもできます。繰下げると支給額(付加年金を含む)が増額されます。経済的に余裕がある人は、繰下げを検討するとよいでしょう。
| 繰上げ請求支給率 | 繰下げ請求支給率 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 昭和16年4月1日以前生まれの人 | 昭和16年4月2日以降生まれの人 | 昭和16年4月1日以前生まれの人 | 昭和16年4月2日以降生まれの人 | ||
| 60歳 | 58% | 70% | 66歳 | 112% | 108.4% |
| 61歳 | 65% | 76% | 67歳 | 126% | 116.8% |
| 62歳 | 72% | 82% | 68歳 | 143% | 125.2% |
| 63歳 | 80% | 88% | 69歳 | 164% | 133.6% |
| 64歳 | 89% | 94% | 70歳 | 188% | 142.0% |
(注)昭和16年4月2日以降生まれの人は、月単位(繰上げは0.5%、繰下げは0.7%単位)での請求が可能。
5. 振替加算額
特別支給の老齢厚生年金(退職共済年金)および老齢厚生年金(退職共済年金)または1級か2級の障害厚生年金(障害共済年金)の配偶者加給年金額の対象となっていた昭和41年4月1日以前生まれの人の老齢基礎年金には、その人の生年月日に応じて15,300円から227,900円(平成20年度価額)が加算されます。ただし、その人が老齢基礎年金の他に老齢厚生年金や退職共済年金を受けられる場合は、厚生年金保険または共済組合等の加入期間が原則20年未満のときに限ります。
6. 付加年金
付加年金は付加保険料を納付した人が、老齢基礎年金にあわせて支給される年金です。付加保険料を納付できるのは第一号被保険者(65歳までの任意加入被保険者を含む)に限ります。付加保険料は月額400円(平成20年度価額)で、希望する人は本来第一号被保険者が納付すべき保険料とあわせて納付します。
付加年金は、200円×保険料納付済期間の月数で算定されます。仮に40年間(480月)付加保険料を納付すると付加年金額は96,000円になります。
人事労務コンサルタント / 社会保険労務士 金子 賢一
[2008年7月10日 掲載]
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