年金パーフェクトガイド2004
第8回 障害年金のしくみ
いまや深刻な社会問題になっている年金の空洞化・・・
国民年金の未納問題が話題となったことも年金問題への注目度をあげた要因といえるかもしれません。
ところで、この何かと話題の年金制度。
「老後の生活資金」といったイメージだけで捉えている人が多いのではないでしょうか。
ですが、老後に受け取る年金だけでなく、一家の大黒柱である家族が亡くなった場合に支給される『遺族年金』、不慮の事故でケガをしたり病気をしたりしたことによって障害を負ってしまった場合に支給される『障害年金』といった制度もあるのです。
これらの年金は、民間の保険等でいう「特約」保障といえるのかもしれません。
ここでは、不幸にして障害になったときに国から支給される『障害年金』のしくみをみていきましょう。
障害年金にはどんなものがあるの?
| 障害基礎年金 (注)公的年金の土台となる国民年金から支給される年金 (注)1級と2級とがあります。 |
| 障害厚生年金 (注)障害基礎年金に上乗せして支給される年金 (注)1級から3級があります。 |
<障害の程度>
| 1級 | ・・・ | 日常生活全般に介助が必要な状態 |
| 2級 | ・・・ | 必ずしも介助は必要ないですが、一人では日常生活が困難で労働によって収入を得られない状態 |
| (注)1、2級の障害の程度は障害基礎年金、障害厚生年金と同じです。 | ||
| 3級 | ・・・ | 労働に著しい制限を受ける状態 |
障害年金はどのくらいもらえるの?
<障害基礎年金は定額制>
| 1級の場合 | ・・・ | 993,100円(老齢基礎年金の満額の年金額794,500円の1.25倍) |
| 2級の場合 | ・・・ | 794,500円(老齢基礎年金の満額の年金額と同額) |
また、扶養する子どもがいる場合は子の加算がされます。
18歳の年度末までの子、または20歳未満で1、2級の障害の子がいる場合、子2人まで1人につき228,600円、3人以降は1人につき76,200円が加算されます。
<障害厚生年金の額>
障害の程度によってつぎのような式で計算されます。
1、2級の障害厚生年金には配偶者の加給年金額228,600円が加算されますが、これは配偶者が自分自身の老齢基礎年金を受けられるようになる65歳までです。
| ・1級の場合 | ・・・ | 報酬比例部分 × 125/100 +配偶者加給年金額 |
| ・2級の場合 | ・・・ | 報酬比例部分 + 配偶者加給年金額 |
| ・3級の場合 | ・・・ | 報酬比例部分(最低保障額:596,000円) |
| ・障害手当金(一時金)・・・報酬比例部分 × 2 (最低保障額:1,206,400円) (注)障害の程度が3級よりも軽い場合に支給されます。 |
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障害年金がもらえるための条件は?
病気やケガによって障害の状態となった場合、『障害認定日』に1級または2級に該当する障害であれば、障害年金が支給されます。
<障害認定日とは?>
傷病の初診日から1年6ヶ月を経過した日またはその期間内に傷病が治ったり、症状が固定した日をいいます。この日の障害の程度で障害等級に該当するかどうかが判断されます。
<保険料納付の条件>
障害のもとになった傷病の初診日の前日の時点で、初診日のある月の前々月までに公的年金の保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が、加入期間の3分の2以上あること、または1年間に保険料の未納期間がないことが必要になります。
- 保険料未納の期間が生じたとき

2年前までの期間であれば、あとでまとめて納付することができます。ただし、初診日を過ぎてから未納していた保険料を納めても、障害年金の保険料納付要件に加えることはありませんから注意が必要です。 - 障害手当金
症状が固定している障害に対して支給されることになっていますので、一度障害手当金を受けとってしまうと、その後障害の程度が「障害年金」に該当するほどに悪化しても、同じ障害について給付を受けることはできません。
障害手当金の請求については慎重に検討する必要があります。 - 20歳前の障害
国民年金に加入している人が、保険料の納付状況など一定の要件を満たしている場合に「障害基礎年金」をもらえることになっています。
ですが、国民年金の被保険者となる20歳前に初診日のある傷病の障害認定日に1級または2級の障害に該当する場合は、障害基礎年金を受給することができます。
受給権が発生して年金が支給されるのは、障害認定日が20歳前であるときは20歳に達した日、障害認定日が20歳以降のときはその障害認定日となっています。
年金額は、一般的な障害基礎年金と同額です。
社会保険労務士 米田 聡美
[2005年2月1日 掲載]

