年金パーフェクトガイド2004
第4回 働いていると年金はもらえないの?~在職老齢年金のはなし~
平成12年の法改正で、原則として、一般企業に勤めている会社員は70歳まで厚生年金保険に加入しなければなりません。厚生年金の保険料は、毎月の給与および賞与から控除されているわけですが、では、こうして働きながら収入がある場合、年金は全額もらえるのでしょうか?
じつは、働きながら70歳前に受け取る老齢厚生年金をもらっている場合は、『在職老齢年金』という仕組みによって年金額の一部または全部が支給停止されることになっているのです。もちろん、会社を退職した場合は、年金の一部を受給しながらも保険料を払っていたわけですから、それまでの加入期間と報酬を加味して年金額は再計算されます。
では、どのような条件で年金は減額されてしまうのでしょうか?
60歳以上65歳未満の人が支給停止される場合
60歳代前半の人は、『特別支給の老齢厚生年金』を受けることができますが、在職し厚生年金に加入していると・・・
- 年金額の2割が自動的にカットされます。
- 支給停止される年金額は、その残りの8割を12ヶ月で割った額(「基本月額」といいます。)から計算されます。
在職老齢年金を計算してみましょう
平成15年4月からの総報酬制が導入されたことにより、賞与にも給与と同じ保険料率が掛けられるようになりました。そのため、平成16年4月から在職老齢年金の計算の方法が変わっています。


| 基本月額 | × | 1/12 | |
| 基本月額 | - | (総報酬月額相当額+基本月額-28万円)×1/2 | |
| 基本月額 | - | (総報酬月額相当額×1/2) | |
| 基本月額 | - | 48万円+基本月額-28万円)×1/2+総報酬月額相当額-48万円) | |
| 基本月額 | - | (48万円×1/2)+(総報酬月額相当額-48万円) |
働いていても年金を支給停止されない人ってどんな人?
厚生年金の被保険者にならない形の勤務や、適用事業所以外の事業所で働く場合は、年金と給与の調整は行われないことになっています。
この「厚生年金の被保険者にならない形の勤務」というのが分かりづらいところかもしれませんが、厚生年金に加入している会社(適用事業所)に勤めている場合、正社員と比べて労働時間の「4分の3」以上、つまり30時間以上働くかどうかが基準になります。
30時間以下の短時間労働の人は、厚生年金に加入する対象とならないためです。
一般的にはパートタイマーなどが該当するケースが多いと考えられます。
65歳以上70歳未満の人が支給停止される場合
65歳からは、『老齢基礎年金』と『老齢厚生年金』がもらえることになっていますが、65歳未満の人同様、厚生年金に加入している人は、年金額が一部カットされることがあります。
| ○老齢基礎年金は支給停止されません | |
| ○昭和12年4月1日以前生まれの人については年金の全額が支給されます | |
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自分で手続きしなければならないの?
給与と支給調整される在職老齢年金の手続きは、自動的に行われるので、自分で手続きする必要はありません。
また、退職後、厚生年金に加入することなく1ヶ月が経過すると、支給停止が解除され、退職するまでの加入期間と報酬を加味して年金額が再計算されます。
平成16年 年金制度改正案でなにが変わる?
60歳代前半の在職老齢年金制度の改善
60歳代前半世代の就労意欲を阻害せずに、働くことに中立な仕組みを目指すとして、一律2割カットされている仕組みを廃止する方針です。
(平成17年4月実施予定)
社会保険労務士 米田 聡美
[2004年 掲載]

