年金パーフェクトガイド2004
第3回 厚生年金ってなに?
厚生年金制度とは?
「3階建て」と呼ばれる年金制度。この公的年金のすべての土台となっているのが1階部分にあたる国民年金です。そして、その2階部分にあたるのが厚生年金です。(図参照)

厚生年金に加入し「厚生年金」を受け取る人は、一定の要件を満たした企業に勤めている会社員で「第2号被保険者」と呼ばれます。
厚生年金から支給される年金には
- 老齢厚生年金
- 障害厚生年金
- 遺族厚生年金
の3種類があります。
これは国民年金の老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金に上乗せされて支給されます。また、厚生年金保険の独自の給付として
- 特別支給の老齢厚生年金
- 3級の障害厚生年金
- 障害手当金
- 脱退一時金
これらが支給されます。
年金がもらえるのはどんな人?
年金を受け取る権利は、原則として公的年金に25年(300ヶ月)以上加入している場合に発生し、65歳から受け取ることができます。この要件は国民年金も厚生年金も同じです。
厚生年金を受け取ることができるのは、厚生年金保険の適用事業所で働く70歳未満の会社員などで、原則本人の意思や国籍にかかわらず厚生年金に加入しなければなりません。ここでいう「適用事業所」とは、常時労働者のいる法人や常時5人以上の労働者のいる個人事業所などをいいます。
どうすればもらえる条件を満たせるの?
厚生年金保険では、適用事業所に勤めている会社員などが70歳になるとその資格を失うことになります。しかし、70歳になっても年金を受取るために最低限必要な要件である「25年の壁」がクリアできない!となった場合、この25年の壁に達するまで加入することができる任意加入の制度があります。
また、適用されていない事業所で働いている人なども、任意で厚生年金保険に加入することができます。
加入期間15年でも年金が受けられる?
旧年金制度の経過措置として、25年の壁をクリアしていなくても、生年月日に応じて壁を15年から24年に低くして年金を受け取ることができる特例措置があります。
《中高齢者の特例》
- 原則40歳(女性の場合35歳)以降の厚生年金保険の加入期間がつぎの表のとおりあれば年金を受け取ることができます。

《厚生年金保険・共済年金保険加入者の特例》
- 厚生年金保険または共済年金保険の加入期間が20年以上であれば年金を受け取ることができる特例です。

いつから、どのくらい支給されるの?
ここからはちょっと複雑になりますが・・・
| 60歳代前半に受け取ることができる老齢厚生年金 |
|
これらの要件を満たしている人は、60歳代前半の老齢厚生年金「特別支給の老齢厚生年金」が受け取れます。
「特別支給の老齢厚生年金」の仕組みはつぎのようになっています。

しかしながら、この制度は60歳から64歳まで段階的に支給開始年齢が引き上げられていて、昭和36年4月2日以後生まれの男性、昭和41年4月2日以後生まれの女性は、65歳になるまでは年金が支給されないことになっています。
例えば・・・
<昭和20年5月生まれで現在59歳の人の場合>
男性は60歳から63歳までの
部分しか支給されず、
の部分が支給されるのは63歳からとなります。
女性は昭和21年4月1日以前生まれの場合、60歳から
の部分が支給されます。女性で63歳までの
部分しか支給されないケースは昭和25年4月2日から昭和27年4月1日生まれの人です。
| 60歳代後半に受け取ることができる老齢厚生年金 |
|
これらの要件を満たしている人は、65歳からその名称を変え、

定額部分の相当分が「老齢基礎年金」として、報酬比例部分の相当分が「老齢厚生年金」として受け取れるようになります。
年金額は、原則20歳~60歳まで40年間公的年金に加入していた人は老齢基礎年金の満額79万7,000円と、厚生年金など公的年金の加入月数や報酬に応じた老齢厚生年金が支給されます。
社会保険労務士 米田 聡美
[2004年 掲載]

