年金パーフェクトガイド2004
第1回 年金の仕組みを知ろう!~年金の仕組みと特徴~
現在加入している年金の仕組みと特徴、知っていますか?
揺れにゆれている年金問題。ここまで注目されているにもかかわらず、じつは・・・
「年金の払い方も、払っているのかもわからない!」
「だいいち、自分がもらえる年金の種類や額、時期さえわからない!」と、悶々としている人が多いのではないでしょうか?
難しいことはさておき、まずは年金制度そのものについて基礎的な仕組みを知ることから始めませんか?
自分は「何階建て」の制度に加入しているか知っていますか?
年金制度の種類
年金制度は大きく分けて「公的年金」と「私的年金」に分けられます。
公的年金は
- 国民年金
- 厚生年金
- 共済年金
の3種類と厚生年金基金などの各種基金で構成され、原則20歳~60歳未満の日本に住む人すべてが加入を義務付けられています。
一方、私的年金には、生命保険会社や郵便局が販売する年金型の保険や確定拠出型年金などがあります。
公的年金の特徴は、何と言っても『終身受給』と『物価スライド方式』といえます。たとえば、仮に100歳まで生きても一生涯受給し続けることができる点に最大のメリットがあるのです。
ところでこの公的年金、上記3種類のうちどれに加入するかは、職業によって決められています。そして、最近よく耳にする「第1号被保険者」「第2号被保険者」「第3号被保険者」とは、それぞれの年金制度に加入している人のことを呼ぶのです。
また、年金は「3階建て」とこちらもよく耳にするかと思いますが、これは図のように職業によって自分が何階に属しているのか決められる構造になっています。

民間会社員の加入する年金制度は?
「会社員である自分は厚生年金に加入しているから、国民年金には加入していないのではないか」と誤解されがちなのですが、図のように、民間の会社員の場合、年金制度上では「第2号被保険者」と呼ばれ、「1階部分」の国民年金と「2階部分」の厚生年金に加入していることになっています。
第2号被保険者の保険料は厚生年金保険料として給与や賞与から天引きされているのですが、これには国民年金保険料も自動的に含まれている、と考えてください。
保険料は会社に勤めている限り70歳までずっと加入が義務付けされています。
会社員の「3階部分」にあたるのが厚生年金基金で、一企業で設立する単独基金、複数の企業で設立する連合基金、同業種で設立する総合基金の3つがあります。
では、1階部分と2階部分の両方の制度に加入しているといっても、いざ年金を受け取ることとなった場合、その内訳はどうなるのでしょうか?
厚生年金の受給額は1階、2階部分に対応して2つの部分で構成されています。
1階に対応するのが国民年金の「基礎部分」。
これは、加入していた期間によって単純に算出できるもので、仮に20歳から60歳までの40年間加入すると満額(年額約80万円)受け取れるものです。
それに対し、2階部分に対応するのが厚生年金の「報酬比例部分」。
これは基礎部分と異なり、文字通り個々の現役時代の平均報酬に比例して決まるもの、と考えてください。
会社員の年金でもうひとつの大きな特徴といえるのが妻の年金といえるでしょう。
一定条件(年収130万円未満で夫の年収の半分未満等)を満たした20歳~60歳までの会社員の妻が「第3号被保険者」と呼ばれています。
しかしながらこれは極めて有利な仕組みになっていて、妻の保険料は夫の給与から天引きされる保険料で賄われていて、妻自身は別途保険料を毎月支払わなくても将来、一定の要件を満たせば年金を受給できるのです。
自営業者の年金は?
自営業者などの個人事業主が「第1号被保険者」と呼ばれています。
この第1号被保険者にあたる人は、20歳から60歳まで「1階部分」に相当する国民年金に加入することが義務付けられています。
現在の保険料は13,300円です(今回の年金法案成立により平成17年4月から引き上げ、平成29年度以降16,900円とするといわれています)。
将来もらえる年金額は、上記会社員の基礎部分と同じで、40年加入すると原則満額の年間約80万円が受け取れます。
また、国民年金にも厚生年金に相当する国民年金基金と呼ばれる「2階部分」があります。これは、都道府県を単位とした地域型国民年金基金や職業別に組織されている職能型国民年金基金の2つのタイプがあります。
なお、自営業者の妻の場合、専業主婦やたとえ収入が130万円未満である場合であっても会社員の妻のような特典はなく、夫とは別に国民年金に加入し保険料を毎月納めなければなりません。
公務員の年金は?
国や地方自治体の公務員、公立・私立学校の職員などが加入している「共済組合」が運営しているのが共済年金です。共済年金に加入している人も「第2号被保険者」に分類されます。
仕組みは厚生年金とほとんど同じでその妻も「第3号被保険者」と呼ばれます。
社会保険労務士 米田 聡美
[2004年 掲載]
