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新規事業・起業家支援「インキュベーション」

第4回 日本におけるインキュベータの現状

日本におけるインキュベータに関する定義をもう一度振り返って見ますと、

  1. 起業家に提供するオフィス等の施設を有する
  2. インキュベーション・マネージャー等による支援を提供する
  3. 入居対象を限定している
  4. 退去企業に「卒業」と「それ以外」の違いを定めている

の4項目であります。

2004年の調査では、この4項目を全てクリアしたインキュベータ施設は50%・177施設でした。さらに2006年の調査では有効回答の60%相当の190施設で、日本では未だ貸しオフィススタイルのインキュベータが多いようです。

上記4項目の具体的な内容については、[1]を第5回、[2]を第6回で詳述します。[3]の入居対象の限定については、入居対象を創業準備中か、創業まもない企業・個人に限定し、入居審査では書面審議(主として事業計画書)と面接を実施しています。中堅・中小企業の第二創業も入居対象とする施設もあります。[4]の卒業基準については、事業計画の数値目標の達成度合いが一つの目安となります。施設の滞在期間はプレインキュベーション(創業準備中)が概ね6ヶ月、メインインキュベーション(既創業)が3年程度です。

2006年10月~12月にJANBO(日本新事業支援機関協議会)が行った日本におけるインキュベータの現状調査の概略は次のとおりです(一部は2004年9~10月)。

[1]調査の概要

企業支援関連施設(636施設)を対象に、施設概要、入居・卒業、支援状況等調査し、323施設から回収・分析。

[2]設置機関別比率

市区町村30.0%、都道府県20.0%、第三セクター10.3%、公益法人10.0%、民間企業9.4%、独立行政法人8.4%、大学等学校法人7.8%、その他4.1%
→ 70%以上が地方自治体、営利は民間の9.4%のみ。

[3]運営機関別比率

公益法人:25.8%、市区町村:17.7%、第三セクター:12.4%、民間企業:12.4%、都道府県:9.0%、独立行政法人:7.8%、大学等学校法人:7.8%、その他:7.1%
→ 自治体が設置して運営は公益法人等に任せる。

[4]入居率

満員:31.5%、90%台:10.2%、80%台:16.2%、70%台:8.9%、60%台:12.4%
→平均入居率は74.0%で、50%未満が10.5%あり、上下の開きが大きい。

[5]業種別入居期間

製造業:51.4、情報通信業:24.2、卸・小売業:24.3、サービス業:27.1、(平均月数)総平均32.0
→製造業の入居期間が長く第三次産業は短い(2004年度調査)。

[6]起業背景別入居

研究開発成果55.8、事業アイデア26.2、スピンオフ31.6、第2創業期間(平均月数)31.5、総平均32.0
→研究開発成果による起業が長い(2004年度調査)。

[7]卒業企業の現在地

以前入居していたインキュベータと同一市区町村内70.1%、同一都道府県内20.4%、その他9.5%
→ 地元定着率が高い。

なお、卒業企業に対して行った入居理由に関する2004年度調査では、「賃貸料が安い」が67%で圧倒的に多く、次いで「対外的信用力がつく」が52%でした(複数回答)。

出典:(財)日本立地センター/JANBO

中小企業診断士 中山 和彦
[2007年11月27日 掲載]


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