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第3回 政府のビジネス・インキュベータ支援施策について
「大企業との格差の是正」を政策目標とした1963年制定の中小企業基本法は、1999年に全面改訂され、政策理念は「独立した中小企業の多様で活力ある成長発展」に転換しました。
基本法見直しの背景には、1986年以降の開廃業率の逆転現象(開業率<廃業率)があり、
1999年には「新事業創出促進法」も施行され、2005年制定の「新事業活動促進法」に吸収されるまで創業促進の要の役割を果たしていました。そして、この新事業創出促進法施行を契機にインキュベーション施設が全国的に増加しました。
元々、民設民営によるインキュベータは、IPO(株式公開)によるキャピタルゲインでもない限り、採算をとるのが難しいビジネスであります。従って、どこの国でも公が手がける事業として定着しています。アメリカでもインターネット関連のインキュベータが急増する以前は、75%程度が公的な施設でありました。
日本においては、1999年以前にもインキュベータに対する公的支援は存在しました。一つは中心市街地活性化策の一環として実施した都市型新事業の立地促進を目的とするものであり、主として市街化区域の遊休土地を活用したインキュベータに対する投資(年間7億円)でありました。もう一つは地域新産業創出のための施設整備に対する補助(年間0.5億円程度)でしたが、両者とも支援の規模としては十分とは云えないものでありました。
新事業創出促進法に基づく1999年以降の公的支援は上記二つの流れに沿いながらも、その規模を拡大(年間約50億円)、全国的にインキュベーション施設が急速に整備されました。
特に、2001~2004年の4年間は毎年平均30施設以上(4年間計126施設)のインキュベータが事業を開始しました。この期間に増加したインキュベーション施設は、現存する施設(190施設)の3分の2に相当します。その後ピッチは弱まっていますが、今なお増加傾向にあります。
また、高度技術に関する産学連携を推進するため、2003年度より産学連携インキュベータ整備予算として毎年15億円前後が特掲されるようになりました。
一方、ソフト面に関する公的支援は2001~2002年にインキュベーション・マネージャー派遣事業として1.5億円の予算計上があるだけで、2005年に至る間はJANBO(日本新事業支援機関協議会、1999年設立)がインキュベータのネットワークやインキュベーション・マネージャーの養成等、主としてソフト面の役割を担って来ました。
2005年度予算(総額約52億円)では、「企業家育成をサポートする人材の養成、スキルアップやその地位向上を図る等、ソフト支援を質的に充実させることによりインキュベーション機能を強化する」ことが明記され、ソフト力強化への支援姿勢が伺われます。
なお、2006年度のインキュベータ関連予算は約67億円であり、前年度比約15億円増加して過去最高となりました。予算使途は中小企業基盤整備機構関係35.5億円(出資及び補助金)、地方公共団体関係30億円(補助金)で、何れも施設の整備に関する支援が中心です。ソフト関連については1.2億円がインキュベーション・マネージャーの養成等に計上されています。
出典:経済産業省産業施設課、中小企業白書(2006年版)
中小企業診断士 中山 和彦
[2007年10月26日 掲載]
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