Fujitsu The Possibilities are Infinite

元のページへ戻る

第6回各論 純資産の部について

今回は、貸借対照表のうち会社法施行に伴い大きく表示様式の変更があった純資産の部と、この純資産の部の増減を示す書類で新規に計算書類の一つとして規定された株主資本等変動計算書について解説します。

1.純資産の部

従来の貸借対照表上の資本の部は、名称が純資産の部となりました。この変更の理由は、金融商品に係る会計基準などの導入により、貸借対照表を時価評価したときの評価差額について、損益計算書を経由せずに直接資本に直入する項目が多くなってきたことがあげられます。以下は変更前と変更後の比較例です。

主な改正点

  • 純資産の部を株主資本とそれ以外の項目(評価・換算差額等、新株予約権)に区分する
  • 従来の当期未処分利益は繰越利益剰余金として記載する
  • その他有価証券評価差額金など当期の損益に計上していない評価差額は評価・換算差額等の区分に記載する。

2.株主資本等変動計算書

従来の利益処分案は廃止され、株主資本等変動計算書が計算書類の一つとして導入されました。株主資本等変動計算書とは文字通り株主資本をはじめとする純資産の部に関する明細書で、貸借対照表と同様の区分により作成します。株主資本の各項目については、前期末残高、当期変動額、当期末残高を記載し、変動事由ごとに変動額と変動事由を明らかにします。従来損益計算書上で行っていた当期未処分利益の計算も、今回の改正により株主資本等変動計算書で行われることになり、下表のとおり繰越利益剰余金の欄の当期変動額として記載します。(株主資本の区分のみの例示)

3.最後に

以上、全6回にわたって「中小企業の会計に関する指針」を解説してきましたが、やや難解な論点も少なくありません。しかし本指針に基づき会計情報を作成することは、経営実態の把握や適切な経営管理、外部に対する信用力の増加など種々の面で、大きな意義を持つと考えます。本稿が「中小企業の会計に関する指針」の理解の一助となることができれば幸いです。

(参考) 前回ご紹介した「中小企業の会計31問31答」

公認会計士 中里 直記
[2007年10月26日 掲載]


関連記事

記事についてのご質問・ご意見ご要望など、お気軽にお問い合わせください。

中堅企業のための経営支援情報に関するご質問

 電話でのお問い合わせ

0120-933-200 富士通コンタクトライン

受付時間 9時~17時30分 (土曜・日曜・祝日・当社指定の休業日を除く)

 Webでのお問い合わせはこちら