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事業継続

第6回 地震災害等から企業を守る

前回まで、来るべき強毒性の新型インフルエンザへの緊急対応策を一通り検討してきました。
経営資源という切り口から、人・モノ・カネ・情報に絞った対策は実行に移したでしょうか。すべては、実行からスタートします。

次に検討すべき事は、地震を代表とする自然災害への備えです。
これまでの新型インフルエンザ対策を行ったことで、共通する対策は完了しています。
例えば、緊急時の食糧や従業員の安否確認、業務再開への要員のやりくりなど他の災害に対しても有効な対策が多くあります。もちろん十分ではありません。いつでも起こり得る脅威の代表である地震災害には、一瞬にしてすべてのものを失う可能性というリスクがあります。このため、更に付け加えるもの、新たな対策を必要とするものが考えられます。

ここで、新型インフルエンザへの懸念の復習も兼ねて、地震に代表される自然災害の特徴との対比を行ってみましょう。

[新型インフルエンザと地震被害の対比]

  新型インフルエンザ 地震災害
従業員 ・被害拡大まで時間的余裕があるため、直前対策が可能
・広域で発生するため、次第に外部からの支援が望めなくなる
・解消まで長期に亘るため、食料等の備蓄が必要
・ライフラインは優先される
・事前予測が困難で一瞬にして起こり、生命や財産が奪われる
・ある程度地域限定となるため、支援活動を頼みにすることが可能である
・ライフラインがストップするため、当初の混乱が大きい
モノ・事業 ・物的被害は無い
・人の手や判断が必要な部分がキーポイント
・徐々に広がる他社の業務停止や資材のストップによる影響が大きい
・物的な被害が大きく、設備修繕や新規購入を余儀なくされる
・耐震対策などある程度の経験的な対策が可能
・被害のなかった地域での再開などは可能
カネ ・長期的・広域的であるため、行政や金融の対応に不安がある
・いかに被害を出さず、事業継続・早期の再開ができるかが鍵
・経験がないため、保険にも期待が出来ない
・ある程度、時間・地域とも限定的であるため、工場分散等の対策や保険・助成などを検討できる
・早期再開が最大の目標
情報 ・情報網は機能していると思われる
・業種・業態によっては、情報・通信システムによって業務継続可能
・長期的な対応になるため、情報セキュリティが重要になる
・発生時には、情報網も使えない可能性が高い
・サーバー等の物理的被害により、重要データを失うことも考えられる

このように、経営資源毎に見てみると特徴的な差がわかります。大きな違いを以下のようにまとめてみました。

(新型インフルエンザ)

  • 発生後の対策や予防策がある程度可能であるが、長期戦となり、被害はジワジワと広がることから、事業への影響は時間の経過と共に大きくなる。

(地震災害等)

  • 兆候もなく一瞬にして被害発生となることが多いが、地域が限定されるため事前対策が十分であれば、短期間での復旧も可能である。

これらの時間的・空間的な面での違いを認識することが重要です。

ここからのシリーズでは、新型インフルエンザでとった対策に付け加えることで、地震災害等への対策となるような視点での整理を行います。現状では最も緊急と思われる新型インフルエンザ対策を優先しましたが、これらの追加対策を並行して行うか、少なくとも、足りない部分については、引き続き対策を実施しましょう。

まず、第1回(「事業継続-発生してからでは遅すぎる」)でチェックした経営者の明確な宣言がなされているでしょうか。
地震などの自然災害は、広域で考えると割と頻繁に起こっていることもあり、対策自体に慣れが生じているおそれがあります。どこかで大地震などが起こるたびに、ある程度の啓蒙が図られているとはいえ、平常時が続くと避難袋もどこかにしまわれたままとなっているのが現実ではないでしょうか。

また、自然災害は局地的ですので、事業再開が遅れることは、他のライバル企業にチャンスを与えることを意味しますし、企業への信頼を脅かすことにも繋がりかねません。
経営者自らが危機感を再認識し、全社挙げての危機対策の宣言を行うことで、「従業員・顧客・地域社会」を守る企業としての企業価値を高めることにもなります。

<チェックリスト>

経営者自ら自然災害対策への取り組みを宣言していますか?

避難訓練への参加率は高いですか?経営者は参加していますか?

従業員全員へ避難袋が配布されていますか?どこにあるか全員が把握していますか?

中小企業診断士 根本 雅章
[2009年9月28日 掲載]


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