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第5回 新型インフルエンザと情報
新型インフルエンザ対策の総括的な視点として「情報」を考えてみます。
業務の継続や従業員との連絡体制にとって、情報・通信システムの重要性は言うまでもないことでしょう。
更に、新型インフルエンザ対策手法として、在宅勤務や通信回線を利用した会議、資金移動等のインターネット利用など、情報・通信システムに大きく依存することも考えられます。
もちろん地震災害などと違い、情報・通信システムが不通になったり、サーバが破壊されるというような直接的な被害が想定されているわけではありません。
では、どんな事態が考えられるでしょうか。
[想定される状況]
- 混乱した情報・完全な誤報が、ブログなどを通して全国的に流れる
- 社内の業務が重要業務へシフトすることから、アクセス権限を大きく緩めて運用する
- ほとんどの部門で通常と違った体制で業務を行うことになる
- 人的対応中心のメンテナンスやサービスの企業が業務不能状態になる
[企業において懸念される事柄]
- 会社の倒産の誤報やワクチン等の怪情報に従業員がパニックになる
- 緊急時の体制により重要情報へのアクセス権限範囲が広がることで誤用等による情報流出等のリスクが高まる
- 会計システム、購買システムなど重要な業務の操作を、経験が少ない従業員に任せなければいけない状況が考えられる
- 情報・通信機器のメンテナンス会社が対応不能となる
[企業での事前対策]
それでは、どのような対策をとっていけばいいのでしょうか。
- 従業員が頼る情報発信を自社でコントロールする
公式の情報、自社の状況など、従業員が不安を感じないような情報発信ができるシステムを検討します。
自社でホームページを設置しているのであれば、掲示板やブログ方式の情報発信を検討しましょう。更新者は限定する必要はありますが、パソコンとインターネット回線があれば、自宅からでも更新できます。
これらの対応が不可能であれば、対策マニュアル等に公式な情報源(厚生労働省など)のインターネットアドレスや保健所の相談窓口などを明記しておくようにしましょう。 - 重要情報へのアクセス予定者について事前教育・マニュアルへの明記を行う
緊急事態とはいえ、顧客の個人データなどを流出させることになった場合、事業が窮地に陥る可能性があります。
当然、可能な限り教育やシミュレーションをしておくことが必要ですが、限界があるのも現実ですので、注意点を簡潔にまとめて、業務マニュアルの表紙などに明記する等の対応を検討してください。 - 業務プロセスをフローチャートにして全体業務が見えるようにする
代替要員に対し部分作業だけを指示したのでは、何らかの不具合があった場合にまったく対応できないか、個人的な感覚で操作してしまうリスクが生じます。特に、影響が大きくなる重要業務については、フローチャートなどの全体の流れと作業の位置づけがわかるようにすることで対応力が高まるはずです。 - メンテナンスマニュアルの装備と電話やインターネットでのサポート契約を結ぶ
システムの故障や部品交換時期となってマニュアル通りに操作できないことが考えられます。しかし、メンテナンス会社も同じ新型インフルエンザに直面していることから十分な対応が出来ないことが想定されます。
部品交換などは簡易マニュアルと部品の備蓄で対応し、メンテナンス会社とは個別のサポート方法を決めておくことが重要です。
緊急時においては、情報や情報システムをコントロールできるかどうかが事業継続にとって重要な要因となります。
<チェックリスト>
緊急時に情報発信ができる仕組みを作っていますか?
個人情報についての教育を全員に行っていますか?
業務の全体がわかる業務マニュアルになっていますか?
機器等のメンテナンス情報が整理されていますか?
中小企業診断士 根本 雅章
[2009年9月10日 掲載]
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