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第3回 新型インフルエンザに負けない業務運営
従業員の生命を守りながら、顧客への製品・サービスの提供の継続を実現し、たとえ一時的に事業休止となっても、状況が回復した段階で迅速な業務再開をするための方策を考えます。
新型インフルエンザが影響を与えるのが「人」であることから、業務運営にとっては要員不足となることが最大の懸念事項です。
そのため引き起こされる状況を考えてみましょう。
[想定される状況]
- 自社の従業員に感染者が報告され、隔離もしくは自宅待機が発生する
- 出社者にバラツキが出始め、欠勤率40%を超え業務停止する会社も出る
- 自社の代表者や取締役・事業部門長等が倒れる
[企業において懸念される事柄]
- 業務毎に歯抜け状態の人員配置となってしまい業務が混乱する
- 感染者が少ないため通常業務をしている取引先から、自社の製品がストップしたことで契約違反を申し立てられる
- 何とか代替要員を配置したが、部品供給会社が業務停止してしまい何も出来ない
- 決裁権者が倒れてしまい業務決裁や重要判断が出来ない
などが考えられます。
[企業での事前対策]
これらの懸念に対し、どのような対策をとることが必要でしょうか。整理してみましょう。
- 重要業務を継続するために事前に順位付けをしておく
要員不足になっている状況で、通常通りすべての事業をそのまま行うことは困難です。収益の要の事業や社会への影響が大きい事業、契約上やめることが難しい事業などにシフトすることを考えなければいけません。
そのためには、事前に欠勤率を想定して停止する事業を決めておく必要があります。実際に欠勤が増えた段階で、スキルマップを当てはめて要員配置を変更しながら、重要業務を継続する方策をとることになります。
更に、各業務がマニュアル化され、これまでの業務経緯が「見える化」されていることも必須条件となります。 - パンデミック発生時の特例に関する覚え書きを取り交わす
通常の契約においては、自社の都合での納期遅延は違約金や遅延損害金等の請求に繋がってしまうことも考えられます。
継続的に取引を行っている企業との契約内容を確認し、出来る限り政府の発生宣言を根拠とした契約条項の緩和について覚え書きを取り交わすことを検討してみましょう。 - 必要な部品等の購入先について複数のベンダーリストを作成し、日常的に複数社との取引をするように対応する
事業にとって重要でかつ手に入れにくい購入品等については、複数社と取引をすることを検討します。また、いざというときに担当者以外でも対応できるような購入品等毎にベンダーリストを作成しておきましょう。 - 緊急時の決裁権限の代行を規則化する
新型インフルエンザの一番の恐怖は、誰が倒れるかまったくわからないと言うことですし、いつ終息するのかもはっきりしない点にあります。もしかすると、取締役全員が倒れてしまわないとも限りません。
あまり極端な想定ではきりがありませんが、少なくとも、重要な決裁などについては、第2・第3の決裁代行者を決めておく必要があります。その際、安易に決裁権を行使されないように、条件を限っておくことも必要となるでしょう。
その他、在宅勤務が可能な業務や経営者の感染防止のために、自宅で業務ができるようなシステムを構築することも検討しましょう。
従業員や経営者自身が感染した場合、いかに事業を継続できるか、再開できるかのシミュレーションに沿った事前対策が重要となります。
<チェックリスト>
重要業務の選定、順位付けをしていますか?
主要業務の業務マニュアルは作成されていますか?
パンデミックを想定した契約を取り交わしていますか?
事業継続に重要な購入品等のベンダーリストを作成していますか?
決裁の代行者について規則化していますか?
中小企業診断士 根本 雅章
[2009年8月14日 掲載]
関連リンク
連載記事
- 第2回 新型インフルエンザから従業員を守る
- 第3回 新型インフルエンザに負けない業務運営
- 第4回 新型インフルエンザへの資金繰り対策
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