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事業継続

第2回 新型インフルエンザから従業員を守る

企業にとって最も重要な経営資源は従業員です。
一般的に「人・モノ・カネ・情報」と並列される経営資源ですが、「人」だけが自ら行動し、かつ他の資源を変化させることが出来ると言う点でもすべてに優先する存在であることは言うまでもないことです。更に言えば、経営者自身も貴重な資源と言えるでしょう。

そして、新型インフルエンザの脅威は、この「人」に直接牙を剥くことにあります。

厚生労働省のガイドラインによると、鳥インフルエンザが変異すると言われる強毒性の新型インフルエンザが大流行すると、日本での死者が64万人になると推測されています。また、企業における欠勤率もピーク時には40%と想定されています。この数字を肝に銘じて、対策を考えてみましょう。

新型インフルエンザ・パンデミックの中で、企業が生き残り、事業を継続すると言うことは、経営者と従業員の生命を守ることが大前提です。
今回の豚インフルエンザに由来する新型インフルエンザの経験から得られた懸念とはなんだったでしょうか。

【想定される状況】

  • 強毒性の新型インフルエンザの発生が宣言され、空港等では水際対策の検疫が強化される
  • 学校等の閉鎖が相次ぎ、家庭内篭城での対応を取る地域が増える
  • 商店・スーパー等でも影響度によって休業などが発生する

【企業において懸念される事柄】

  1. 社員に正しい知識が定着しておらずパニック状態となってしまう
  2. マスク・消毒用アルコールなどの直接の対策品は品切れとなり、食品も物流や販売店の休業等で手に入れることが難しくなる
  3. 従業員が感染の疑いなどで突然隔離され、業務が混乱する

などが考えられます。

【企業での事前対策】

それでは、さっそく企業として行うべき事を整理しましょう。

  1. 社員に対する事前の啓蒙や教育と共通したマニュアルの周知・配布
    行政機関を中心にマニュアルが作成されていますので、従業員や家族が、新型インフルエンザに感染しないこと、感染しても他に広げたり、パニックにならないような基礎知識について、今回の記憶が鮮明なうちに教育を行いましょう。
    PDF参考:厚生労働省「新型インフルエンザ対策」パンフレット
  2. 企業として最低限の食糧・医薬品・日用品の備蓄を進める
    従業員に自衛のための備蓄を呼びかけると同時に、企業として従業員に本気であることを示す意味でも、食糧等の備蓄を検討すべきです。また、産業医等との連携でタミフルなどの医薬品やマスクなど発生時には不足すると思われるものから優先して備蓄していき、従業員に配布するルールを公開することでパニックを防ぐ効果もあります。
  3. 安否情報確認と従業員一人ひとりのスキルマップの作成
    出来る限り事業を継続し、企業存続や雇用確保、そして、顧客への製品・サービス提供を続けるため、従業員とその家族の安否情報を集約できる仕組みを作りましょう。単に、連絡網だけでなく、必要な情報を一覧チェックできるようにすることが混乱の中で事業を行うための必要条件となります。
    また、出勤可能者が少なくなったときの対応のため、それぞれの従業員の経験等から代替担当できる業務一覧(スキルマップ)を作成しておくべきでしょう。

新型インフルエンザは「人」の機能を麻痺させることになります。対策は、感染しないことが第一です。

<チェックリスト>

社員への新型インフルエンザ教育を行い、マニュアルを配布していますか?

従業員のための備蓄を行っていますか?

安否確認方法は確立していますか?

従業員一人ひとりのスキルマップ(担当可能業務一覧)は作成していますか?

中小企業診断士 根本 雅章
[2009年7月30日 掲載]


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