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第6回 結び 「再度 電子帳簿保存法プロジェクト」
前回の後半で述べましたが、e-文書法は、電子文書化を推し進める上で、格好の手がかり、足がかりといえます。ここで、e-文書法をきっかけとして、電子文書化を進めることの期待を考えてみたいと思います。
1.リスクの管理
- 情報共有化によるリスクの早期発見・・・訴訟、顧客クレーム、品質問題等への早期発見と対応が可能。
- 情報の機密性の強化・・・電子文書の閲覧・印刷等の権限設定が可能となり、情報の管理、漏洩防止が紙よりずっと容易になる。
- 過失、不正の防止・・・取引先、顧客、従業員単位での検索性向上により、実務における過失、不正行為の発見・追求が容易となり、不正抑止も期待できる。共有による内部牽制がはたらく。
- 顧客・従業員等の個人情報・・・保護やプライバシーへの配慮、委託先の管理など。
- 災害等への対応・・・電子文書を複製することにより、災害等に備えたバックアップや分散管理が容易になる。証拠保全、アカウンタビリティーには、必須
2.コストの削減
- 作業効率の向上と作業人件費の削減・・・情報の検索、移動、照合等の作業時間が短縮され、社内外での利用における流通・移動コストの削減も期待できる。
- 保管コストの削減・・・紙文書と比較して、保管場所の確保が容易になり、倉庫代等の保管コストの削減も期待できる。
3.競争力の強化
- 法令順守(コンプライアンス)への対応と信頼性の向上・・・情報共有、作業効率の向上等により、法規制等(米国SEC 規制、決算処理の迅速化、国際会計基準など)への対応が容易になり、投資家や顧客からの信頼性向上も期待できる。
- 顧客満足度の向上・・・製品情報、顧客管理の電子化により、顧客からの質問・クレームへの迅速な対応が可能となり、顧客満足度の向上を期待できる。
- 電子政府・電子商取引への対応・・・電磁的保存された電子文書を、電子申請の添付資料や電子契約の別添資料として利用することで、電子政府・電子商取引への対応が容易になる。
4.環境問題への対応
紙の消費を減らすことで、森林保護等に貢献できる。電磁的保存により不要となった紙文書を、リサイクル資源として活用する。紙の物流を減らすことで、排ガス抑制に貢献できる。
以上、代表的なところを挙げてみましたが、おそらくもっとたくさんのメリットが生まれてくるだろうと思います。
たとえば、こんな数式。

何の式だかわかりますか?
これは、大雑把な例ですが、社員30人がそれぞれ、1日10分探しモノに費やしたとすると、年間約250万円使っていることに他ならないという式です。
実際には、書類探しにもっと時間を費やしていませんか?
試算してみると、結構面白い結果が得られるのでは・・・。
さて、このe-文書法。業界全体では、年間3,000億円のコスト削減効果といわれていますが、もちろんこの中には、上記のコストは含まれていません。
本稿の冒頭でも触れましたが、e-文書法の目的は、紙が減らせることによるコストダウンではありません。
ポイントは、ここです。つまり仕事が速くなるのです。そしてそのことが、競争力、信用力、顧客満足、・・・などなどに直結するのです。
e-文書法は、そのためのトリガーとして捉えてください。
読者の皆様は、まさに熾烈な競争下におかれていることと思います。
インターネットの普及は、この競争を世界規模に膨らませました。
IT活用能力は、企業の生命線のひとつといえる時代です。
その中にあって、文書の電子化は、目に見える効果、目に見えない効果、さまざまな恩恵をもたらすものと思います。このあたりは、残念ながら、国内企業より、海外の企業のほうが進んでしまって
いるとも感じられます。
しかし、日本でも、遅まきながら(?)、「世界最先端のIT国家を実現する」を目指してこのe-文書法が施行されたわけです。
まだまだ、物足りなさの残る法律ではありますが、ここはひとつ、国に騙されたと思って、「e-文書法プロジェクトチーム」を設立してみませんか。
できそうなところから着手という考え方で十分です。まずは、スタートを切ること。
必ずや、経営のスピードアップにつながるだろうと思います。
税理士 横山 三郎
[2008年3月27日 掲載]
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