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第4回 e-文書法が求める具体的な要件(2)
「システム要件 等」
前回で、e-文書法の守備範囲の広さを感じていただけたものとして、今回は、その条件について綴っていきたいと思います。
まず、保存の具体的方法について、法では3つの分類をしています。
<1> 保存の具体的な方法を規定してないもの
これは、商法をはじめとする組織関係制度などが該当します。これは、書面の場合も同様ですが、保存方法、セキュリティ基準などは、その法人が決するべきで、行政側は規制しないというものです。
<2> 一定の水準を確保する努力義務を置くもの
これは、文書の消失、改ざん、漏洩等が、保存当事者にのみ主要な影響を与えるものと、保存当事者以外に影響をあたえるものに分けられます。すでに電磁的記録を容認している法令の多くと、事業規制法関係をはじめとする特定事業に属する事業者に一定の規制を課すことで、制度の安定を図っています。(電気事業法、ガス事業法など)
そして、最後
<3> 保存の具体的な方法について厳格な要件を課すもの
命にかかわるなど極めて大きな影響を及ぼすとの判断から、医療関係書類。税の公平を期するための国税関係書類などがこれにあたります。
<1><2>については、企業ごとにほぼ自由にルールを決めて電子保存に移行してよいと捉えて良いものと思います。
問題は、<3>です。そこで、もっとも厳しそうな国税関係書類の電子保存について、そのルールを見ていきます。
国税関係書類の保存に関して、まずは、「税務署長の承認」が必要という点。申請手続きは、申請書書類に、スキャナに関する記述欄が増えたくらいで、電子帳簿保存法とほぼ同一です。(「電子帳簿保存法プロジェクト」を参照ください。)
次に、「真実性の確保」という点。大きく3つの要件を満たす必要があります。
《読取装置》
スキャナ。これは、原稿台と一体になったもの。(ハンドスキャナ、デジカメなどは不可)
《入力要件》
作成または受領後速やかに入力、- 業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに入力。
これについては、概ね、受領後1週間以内としています。しかし、業務のサイクル(月次処理等)にあわせて、だいたい1ヶ月程度の範囲で、容認されると考えてよいでしょう。ただし、この場合、 電子帳簿保存法の申請書類にも含まれる「事務手続を明らかにした書類」に明記しないといけません。e-文書法の発表当時は、この「速やかに」の解釈しだいでは、営業拠点ごとにスキャナやシステムを設置しなければいけないのか。というような懸念もあったようですが、さすがにそこまで強くは言っていません。
《システム要件》
- 解像度・階調・・・一定水準の解像度・カラー画像、紙と同程度の小さな文字、色を再現できること
具体的には、200dpi以上、256階調(1,677万色)以上。たとえば、シミや汚れもそのままスキャンして保存しなさいということで、形式は現在のところPDFが主流になっているようです。 - 電子署名・・・偽造不能な署名を付して改ざんを防止するタイムスタンプイメージ化した時刻を第三者が証明。ただし、見積書や注文書など、資金や物の流れに直結・連動しない書類をスキャニングする場合には、入力要件、タイムスタンプ要件以外の要件を満たし、その電磁的記録の作成及び保存に関する事務手続を明らかにした書類の備付けを行うことにより、スキャナ保存できます。
- 読取時情報・・・読取解像度等の情報の保存
- バージョン管理・・・訂正・削除の事実及び内容の確認。これは一度保存したデータに上書き保存をしないでくださいという意味と捉えてください。
- スキャニングした書類と帳簿との関連性の確保(伝票No.の付番など)などが規定されています。
三つ目は、「可視性の確保」という点。これについては、14インチ以上のカラーディスプレイ、プリンタの備付け、検索機能の確保、システム概要書の備付けを求めていますが、いずれもそう難しい話ではありません。日本工業規格JIS X6933のテストチャートに示される4ポイント文字が認識できることが求められていますが、スキャナ、ディスプレイ、プリンタ、いずれも、今時の機器であれば特に問題にはならないと思います。検索機能についての「複数のキーワードで検索が可能なこと」といった点もさほど問題にはならないでしょう。
むしろ問題になるのは、ストレージとスキャナのスピードという点。これは法的には何ら規定はされていませんが、実務レベルでは、むしろこちらのほうが重要となって来そうです。長期間保存する、大量に保存する、大量に読み取る。これを十分視野に納めて要件を確保しましょう。
最後にタイムスタンプについて。今でも認定事業者に対して、1回8~10円のコストがかかります。3万円の領収書を10円かけて電子保存?生真面目にタイムスタンプを取得すると結構な費用が発生してしまいます。
これについては、国税の法令解釈通達によれば、「スキャナ読取を行った日が特定できるように、書類ごとや部署ごとに電磁的記録をまとめてタイムスタンプを付していれ・・・」「台紙に複数枚の国税関係書類(レシート等)を添付した文書は、台紙を含めて入力単位とする。」などとされています。
数ページにまたがるPDFファイルに、ひとつのタイムスタンプ。というイメージをしていただければと思います。特許情報に関するタイムスタンプなど、分秒を争う場合は、別ですが・・・
税理士 横山 三郎
[2008年1月23日 掲載]
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