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第2回 目的を見誤るな 「e-文書法の本来の目的」
「電子帳簿保存法プロジェクト」(全12回)。お読みいただけましたか?
かなり長文なので、大変な思いをさせてしまったかもしれません。
最終回までお読みいただいた方、その最後に「e-文書法案 一気に加速」という段があったのをご記憶いただいているかと思います。
あの稿を執筆している段階では、「電子帳簿保存法」から漏れた部分に対して、e-文書法に期待するところが大であったことを感じていただけたのではないでしょうか。筆者も勢いづいていて、「本格的な電子文書時代の幕開け」などと評していました。
さてそこで、いよいよe-文書法の内容に入っていこうと思うのですが、・・・その前に・・・
e-文書法の持つ本来の意味を確認しておきたいと思います。
このe-文書法、そもそもは、2001年に内閣に設置された「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部」(IT戦略本部)が、「世界最先端のIT国家を実現するんだ。」(いわゆる e-Japanとかu-Japanなどと言っております)それも大急ぎでやるんだ。そして、そのスピードを上げるのに、もっとも重点をおくべき施策のひとつが「e-文書法」なのだ。といって、スタートしたものなのです。
e-文書法 = 業界全体で、年間3000億円のコストダウン。ストックスペースの削減や、紙での保存コストの削減。
" No! "です。
e-文書法は、直接的なコストダウンのための法律ではありません。
「え?それではなんなの?」
一昨年あたりのアメリカでの調査によると、国民は、スリムな政府よりも充実した行政サービスに期待をしているようです。その前までは、みなこぞって、小さな政府、金のかからない政府を求めていました。これがどうやら、今は違ってきているようです。
民間企業の国際的競争力をアップさせるために、「国を挙げて協力しろ」というのが、アメリカ国民の声。つまり、「邪魔なものを排除し、行政サービスを充実させろ。」 そもそも、「Made in Japan」にも負けている我々ではない。
この声に応えるために、国を挙げて支援しようという作戦です。だから、一気に規制緩和を進め、スピードを阻害する因子を次々と排除した。顕著にこの動きが進んだといえます。
冒頭に述べたとおり、遅まきながら、日本も世界最先端のIT国家を目指すことにしたようです。
この世界最先端のIT国家の意味するところは、「スピード」というキーワードを介して、「世界最先端の競争力をもった国家(民間企業を含む)」の建設を目指そうということに他なりません。
「世界最先端の競争力」は、「世界最速のスピード感のある経営環境」という言葉におき換えても良いと思います。
すなわち、e-文書法は、企業(国家)の世界的な競争力を向上させるために、さまざまな規制を排除し、より高速で、活力にあふれた経済環境を創造するために制定された法律なのです。
決して、単なる「コスト削減」のための法律ではないことを認識してください。
そうでないと、e-文書法の本旨が、その半分も生きてこない。
読者諸兄は、これ幸いと、e-文書法を、スピードアップのための道具として、生かしていただきたいと思います。
そう考えていただきたいと思います。
文書の電子化は、「経営効率の向上」に大きく貢献するであろうことは、皆様もご承知の通りです。
ISO、SOX、PL法・・・。世の中は、書類を増やせ増やせと言い続けています。バックオフィスの応答性能は、文書管理の良し悪しにかかっています。
筆者が良く使う「スピード感に満ち溢れたバックオフィスの実現」に、文書の電子化は不可欠な要素なのです。
e-文書法は、諸々の規制緩和の一環として、これらを「国として全面バックアップ」しよう(今のところまだ実感は薄いかもしれませんが・・・)と、腹を決めてくれた法律であると解釈しましょう。
「この流れに乗らない手はない。」
税理士 横山 三郎
[2007年11月8日 掲載]
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