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電子帳簿保存法プロジェクト

第11回 カットオーバー「手続き・・・本当のカットオーバーではないが」【カットオーバー】
ここまでくれば申請手続きは難しいものではない?

基本的には、前回までの内容についての準備を、承認を受け、電子帳簿保存を開始したい日の3ヶ月前までに完了する必要があります。(図1)
申請書は、3ヶ月前には提出されていなければならないのです。準備が万全であれば、今回のプロジェクトチームにとっては、第一のカットオーバーは、この申請書提出の日になることでしょう。
一般的には、決算のタイミングにあわせて、新事業年度の開始に合わせて承認を受けられるように進めることが大切だろうと思います。当然、事前準備もそれに合わせて進めるべきです。

【図1】申請スケジュール

上図における「みなし承認」とは、承認申請提出後、所定の日(すなわち申請から3ヵ月後)まで、承認または却下のいずれの通知も無かった場合、電子保存開始の日の前日に承認されたとみなすことをいいます。現時点では、ほとんどの場合「みなし承認」となるケースが多いようです。
ちなみに、システム要件を満たしているかどうかは、承認申請時には問われません。システムは、「保存の開始日に間に合えば良い」ということになっています(備え付け書類も同様です)。
したがって、承認申請時にシステムが構築中あるいは改善中であっても、申請書の記載事項を具体的に記入でき、かつ添付書類も作成できる状況にあれば、提出することができます。

提出先について

さて、スケジュールに基づいて、3ヶ月前に提出するわけですが、どこに提出したら良いのでしょうか。
電子帳簿保存法の承認申請は、基本的には納税地の所轄税務署長になります。
例えば、非課税貯蓄限度管理に関する帳簿等を保存しなければならない金融機関の営業所等では、営業所の所在地を所轄する税務署。酒類の販売に関する事実を帳簿に記載しなければならない酒類の販売業者の場合は、販売場の所在地。原油等輸入業者が輸入原油に関する帳簿については、「所轄の税関長」のように例外もありますので、ご注意ください。
いずれにしても、まずは納税地の所轄の税務署に行き、申請内容を確認してもらうと同時に、申請書の提出先が妥当であるかどうかは、事前確認をしておくべきでしょう。
3ヶ月前の当日に、持っていったら、受け取ってもらえなかったなどということにならないように。「申請書類が受理されず、仮に、訂正等に1週間かかってしまった」。そんな事態になると、新事業年度のはじめの1週間は、紙の帳簿で保存、2週間目のデータから電子データで。というような面倒な状況に陥ってしまいます。せっかくの「新事業年度の帳簿は電子化して・・・」という意気込みが挫けてしまいそうですよね。
【図1】の申請前の準備には、所轄の税務署にいって事前打合せをするというスケジュールを必ず組み込んでおきましょう。

さて、ここまでは、国税に対する対応でしたが、地方税関係帳簿書類についても電子帳簿保存制度は創設されています。国税関係の電子帳簿保存は承認を受けたが、地方税関係は、従来どおり紙で保存?そんな事態にならないように注意してください。そもそも総勘定元帳などは、国税用、地方税用があるわけではないですよね。そこで・・・

  1. 申請書類は、国税・地方税大差ありません。国税の書類を作成するのと同じ要領で大丈夫です。
    また、申請スケジュールも国税関係と同様に進めましょう。
  2. 提出先
    • 道府県民税・市町村民税の所得割関係・・・住所所在地の市町村長
    • 道府県民税の法人税割関係・・・道府県知事
    • 事業税関係・・・道府県知事
    • 道府県たばこ税関係・・・道府県知事
    • 軽油取引税関係・・・道府県知事

詳細については、国税同様に事前確認をしましょう。

さて、いよいよ申請書が受理されれば、今回のプロジェクトはほぼ完了です。
これまでの情報では、申請が受理されれば、ほとんどの場合、「みなし承認」となるようですから、あまり心配せずに待つことです。
実際に電子帳簿保存を開始するまでの3ヶ月間は、社内の仕組み(描いた業務フロー)を各実務担当者に徹底する期間として活用することをお勧めします。これまで準備してきた内容を、実際に現場に定着させるための期間です。電子帳簿保存を機会に、業務フローの改善を行った会社の場合は、この「定着」が、最も手間ひまのかかる作業になるかもしれません。

申請書の提出は、プロジェクトの大きな節目ではありますが、逆に、この電子帳簿保存制度を、経営に生かすためのスタートです。是非とも、その効果を生みだしてください。

税理士 横山 三郎
[2007年9月 掲載]


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