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地域資源の有効活用が企業を救う

第1回 「地域資源の活用の意義と要諦」

地域企業を取り巻く経営環境

日本経済は全体として景気回復基調にありますが、大都市圏とそれ以外の地域に景況感において格差が生じており、総じて厳しい状況にあります。一方で国・地方の財政悪化に伴い、地域経済の回復に向けた公共事業の活用は困難となっています。さらに海外製品の品質が急速に向上していることにより、品質による差別化も次第に難しくなってきています。

このような状況下において、地域の中堅企業が所在地に特有の経営資源である地域資源を積極活用することで、製品やサービス(以下「製品等」と表記)の差別化を図り、新たな市場の開拓を進めることは、存続・成長への有力な選択肢の一つになると考えられます。

ところで地域資源とは何を意味するのでしょうか。国は地域資源を活用して新商品・新サービスの開発や市場化に取り組む中小企業に対して、中小企業地域資源活用促進法に基づく支援を行っており、同法において地域資源を、強みとなり得る産地の技術、地域の農林水産品、観光資源等としていますが、本稿では以後、地域資源を地域特有の「素材」や「技術」として、製造業を中心に考えていきます。

地域資源活用の意義

まず地域資源を活用することの意義について検討します。結論を先に述べると、その本質は製品等の「差別化」にあります。

地域の中堅企業が同質性の高い製品等に関して、品質やコストの「程度の格差」で大企業や海外企業に対する競争優位を獲得し、これを維持し続けるのは極めて難しいです。差別化できる製品等を創出することで競争の必要がない状態をつくり出すことが何よりも望ましく、そのためには地域特有であるが故に本質的に差別化の程度が高い「素材」や「技術」を活用することが有効でしょう。

地域資源活用の要諦

次に地域資源を活用するための要諦について考えていきます。
逆説的ですが、地域資源は当該地域でしか活用できないとは限りません。域外企業が他の地域の資源である「素材」を購入したり、また「技術」について委託したりすることが可能な場合もあると思われます。

それでは地域企業と域外企業が最も大きく異なる点は何でしょうか。
それは経験に基づく知見の有無と考えます。地域企業は地域資源に対して長年に亘って培った経験を有しており、深い洞察力を持っている筈です。従って地域資源を再認識し、注意深く見直すことで、新たな価値を発見できる可能性も高いです。

これに市場に対する知識や理解を加えることができれば、ニーズに適合し、差別化できる製品等の創出に繋がります。
即ち地域企業が、<1>地域資源を再確認して可能性や価値を見出し、<2>市場を知ることで地域資源を活用可能なニーズを識別し、<3>これらを結び付けることで、製品等の「差別化」を実現する、ということが地域資源活用の要諦といえます。

中小企業診断士 島田 豊慈
[2008年4月24日 掲載]


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