お役立て資産運用(5)債券の知識とアドバイスポイント
(1)債券の基礎知識
発行主体による分類
発行主体により、国債、地方債、金融債、社債等に分かれます。国債は最も信頼度が高いので、価格は高く、利回りは相対的に低い水準にあります。- 債券の形態による分類
利息の支払方法の違いにより、利付債と割引債に分かれます。 - 発行条件
表面利率:発行時に決められる額面に対する(固定)利率です。
期 間:償還までの期間により短期債(3年未満)、中期債(3~7年未 満)、長期債(7~ 13年未満)、超長期債(13年以上)に分かれます。
発行価格:発行価格が額面100円未満の場合をアンダーパー発行、額面100円超の場合をオーバーパー発行という。 - 流通市場
店頭市場:公社債の大半は、店頭市場です。
取引所市場:転換社債、ワラント債、円建て外債、国債等。
(2)利回り
その債券を償還日までもった場合の、利息と償還差益の購入価格に対する利回りです。
- 最終利回り
債券購入日から最終償還日までの1年当たりの投資収益率
債券利回り=《年利率×額面+(額面-購入価格)/残存期間》を購入価格で 除し、100 倍したもの。
新発債を購入した場合は、残存期間は発行から満期までの全期間を、購入価格は発行価格を使い、特に応募利回りといいます。 - 所有期間利回り
購入した債券を、償還日まで所有せず途中で売却した場合に、その所有期間に対応した利回りを表すものです。
債券利回り=《年利率×額面+(売却価格-買付価格)/所有期間》を買付価格で除し、 100 倍したもの。
(3)債券価格の変動要因
市場金利が上がると債券価格は下がり、市場金利が下がると債券価格は上がる関係にあります。
一方、金利の変動要因としては、景気・物価・為替などがあり、これらの関係は以下のとおりです。
- 景気:好況 → 債券利回り(↑)、債券価格(↓)
- 景気:不況 → 債券利回り(↓)、債券価格(↑)
- 物価:上昇 → 債券利回り(↑)、債券価格(↓)
- 物価:下落 → 債券利回り(↓)、債券価格(↑)
- 為替:円安 → 債券利回り(↑)、債券価格(↓)
- 為替:円高 → 債券利回り(↓)、債券価格(↑)
(4)ポイント
債券運用にあたっては、リスクの見極めが重要なポイントになります。
- 信用リスク
発行主体が元利金支払不能になるリスクで、これをチェックするものとして格付け制度があります。 - 途中償還リスク
償還日まで保証されている利息が、期限前に償還されることにより受取れなく なるリスクです。期限前償還には、抽選償還と任意繰上償還があります。 - 金利変動リスク
金融市場の市場金利が変動することにより債券価格が値下がりするリスクで、 一般的に長期債ほど、価格変動幅が大きいことに留意しなければなりません。
初心者の方には、一般的な売買単位(1,000 株)以外の株式累積投資や株式ミニ投資など「お試し」的な株式投資から参加することをお勧めします。
債券は比較的、安全な商品と思われがちですが、こういったリスクと債券価格の変動要因を充分考慮したうえで運用していただきたいものです。
ファイナンシャルプランナー 多賀谷 優
[2004年3月 掲載]
