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第2回 コーチングの進め方(2) - フィードバック
フィードバックとは
辞書によるとフィードバックとは「心理学・教育学で、行動や反応をその結果を参考にして修正し、より適切なものにしていく仕組み(出展:大辞林)」と説明されています。
これはコーチングにも当てはまります。コーチングにおけるフィードバックとは「相手がよりよい状態になるようなメッセージを伝える」ということなのです。
コーチングでは、このフィードバックをいろいろなシーンで使います。
基本は「プラスのフィードバック」
部下の仕事の結果に対して、おそらくあなたは無意識のうちに部下へのフィードバックをしていることがあるはずです。例えば次のようなフィードバックです。
「この企画書、もうちょっとわかりやすく作れるだろう!?」
→(このままではわかりにくい、というフィードバック)
「何でこの程度の受注件数しか取れていないんだ?」
→(このままでは目標の売上に到達しないよ、というフィードバック)
部下に対する叱責や発破は、このようなフィードバックであることが多いものです。相手のことを思うがあまり、あるいはよい方向に修正しようと思うがあまり、このようなマイナスのフィードバックになってしまうものです。マイナスのフィードバックは「うまくいっていない部分」にフォーカスしているものです。しかし、このように相手を責めたり非難したりして相手を萎縮させてしまうマイナスのフィードバックはコーチングにおいて好ましいものではありません。
コーチングで行うのは、「うまくいっている部分」にフォーカスをするプラスのフィードバックです。
「よし、まずは企画書ができたな。」
→(企画書を作るという最初のステップは完了した、というフィードバック)
「結果はともかく、受注活動はがんばっているようだね」
→(受注に向けての努力を行っているね、というフィードバック)
うまくいっている部分や取り組んでいる事柄を言葉にすることで、プラスのフィードバックを行うことができるのです。
このようなプラスのフィードバックがもたらす効果は、マイナスのフィードバックよりも大きな行動変容の力になります。なぜなら、人間は「誰かに認められたい」という基本的な欲求を持っており、認められることによって安心感や次の行動への意欲が高まるのです。
そしてプラスのフィードバックは「あなたのやっていることを認めているよ、わかっているよ」というメッセージに他ならないのです。
フィードバックのタイミング
普段あなたは、プラスのフィードバックはあまり行っていないのではないでしょうか。なぜなら、あなたから見たら部下のその行動や結果は「出来ていて当たり前」のことだからです。でも、当たり前のことでも、そのときに「出来ていること」を出来るだけ多くメッセージとして伝えましょう。
特に、前回ご紹介したコーチングステップの5番目、「相手の行動をフォローする」のステップではフィードバックのチャンスがたくさんあります。部下が何かを仕上げたり、行動したりしたときは、いつでもフィードバックするチャンスなのです。部下の様子をよく見て、そのチャンスを逃さないようにしましょう。そして、部下の意欲を盛り上げ、さらによい状態になるようにサポートしてあげてください。
フィードバックの会話例
先ほどの例を会話とした場合、このようになります。
部下A : 課長、指示されていた企画書ができました。
課長 : お、そうか、がんばったな!←プラスのフィードバック
どれどれ・・・(中身をチェック)
よし、次はこの内容をもっとわかりやすくするにはどうしたらいいか、考えてみてくれ。
部下B : 主任、今週の営業報告です。
課長 : ありがとう、毎日がんばってまわっているようだな。←プラスのフィードバック
さて、B君のその頑張りがもっと結果となって現れるようにするには、どうしたらよいだろう?
いかがですか?マイナスのフィードバックよりも会話が穏やかで、かつ部下の意欲が引き出せ、改善行動へスムースにつながって行く感じがするでしょう。
中小企業診断士 黒須 靖史
[2008年7月10日 掲載]
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