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実践!ビジネス処世術

第10回 私がリストラ!?突然、出向を言い渡されたら
~出向・転籍対処マニュアル~

大手商社に勤務するJさんは、エネルギー事業部に所属し、石油・ガスの探鉱・開発、原油の売買など、今まで幾つもの海外の企業との大きなプロジェクトをまとめ上げる、周りも一目置くやり手のキャリアウーマンです。

ある日、事業本部長より彼女に出向の話がありました。「ウチの子会社に、ヘルスケア事業を扱っている会社があるだろう?君も知っての通り、業績がかなり悪い。そこで、君にその会社の立て直しをお願いしたいんだが、どうだろう。」実はその子会社は近く売りに出すという内々の情報をJさんは掴んでいました。
Jさんは咄嗟に思いました。「私が、リストラ!?どうして・・・」

出向を言い渡されたら、どう対応しますか?

「来月から○○社の立て直しのため出向(転籍)してくれないか」と、会社から突然言われたら、どう対応しますか。Jさんのように実績を上げている人となれば心中穏やかではないはず。リストラと思っても不思議はないですよね。
出向も転籍も、別会社で働いてもらうということでは同じですが、違いは、出向は籍が現在の会社に置いたまま一定期間、別会社で働くことになります。転籍は雇用主が別会社になってきます。

さて、出向を言い渡されたJさん。あなたの会社では「就業規則」などで出向規定が設けてありませんか?大きな会社なら大体あると思います。この規定がなく、採用時に出向に同意していない場合には拒否することができるのです。更に、出向規定があっても、出向先で給与など労働条件が著しく悪くなる場合には拒否することができます。著しく悪くなる場合とは、裁判の判例を参考にすると「給与が20~25%以上下がるような場合」となります。

しかし、拒否はしても、会社が簡単に撤回をしてくれるものでもありません。逆に「懲戒解雇」されてしまう可能性も出てきます。
ですので、この場合は、出向命令に異議を唱えながらも、出向を受けいれます。そして、出向先での仕事の内容を踏まえ、余りにも仕事量に比べ給与が下がった場合には裁判に打ってでるということも、1つの手段として考えられます。

転籍を言い渡されたら、どう対応しますか?

もし、転籍となった場合ですが、転籍になると現在の会社との関係を断ち切り、別会社と新たに雇用契約を結ぶことになります。そのため、転籍要請には拒否することができます。そこで会社側は転籍の同意を得るために、一時金や一定期間、転職手当を出す場合もあります。こうした「手当て」の額と現在の会社にとどまった場合の先行きや転籍先での職場環境などを判断して転籍要請に応じるかどうかを決める方法もあります。

現在の会社と自分を見極める

Jさん、出向、転籍を言い渡されたということは、現在の会社が自分をどう評価されているのかを見つめ直す良い機会と捕らえて下さい。そして、自分が高い評価を得ている場合の出向、転籍であるならポジティブに受け入れてみてはどうでしょう。もし、逆の場合は「もはやこれまで」と転職も考えることも1つの方法かと思います。

今まで実績を上げてきたあなたですから、会社を立て直して堂々と戻ってくるカッコいいJさんを見てみたいものですね!

経営コンサルタント 菊田 恒夫
[2006年7月28日 掲載]