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  5. ウェブマーケティングの新潮流 第5回 ユーザと手を取り合う「コミュニティー・マーケティング」

ウェブマーケティングの新潮流
~業績アップにつながるホームページの新常識~
第5回 ユーザと手を取り合う「コミュニティー・マーケティング」
~その2 コミュニティーに参加するブログ編~

2004年頃からブームの始まったブログは、誰でも簡単に利用できる表現ツール、コミュニケーションツールとして、今日では約900万人のユーザが利用しています。

ユーザはブログで日記やエッセイ、論評記事などを書き、コメント機能やブログ特有の「トラックバック」機能を使ってコミュニケーションを楽しんだり、情報交換を行っています。タレントや一般人のブログが書籍化されたり、テレビドラマの原作になる等の例もあり、今や一過性のブームではなく、ひとつのメディアとして定着した感があります。

「話しやすい、話しかけられやすい」のがブログの本質

ブログとは、「Web上に残るログ(記録)」と定義されます。表層的に見れば、900万の日記や、それに類する日々の記録――今日はどこへ行った、何を食べた、何を見て何を思った、といったことが書かれています。これが「口コミ」として働くことは、第1回で述べた通り重要な点ですが、本質的なブログの特徴は、別のところにあります。

ブログは一般的に、フォームに文章を入力するだけでページが自動生成される管理ツール(CMS)で運営します。ホームページを作った経験をお持ちの方なら、何か新しい記事を載せるためにページを1枚仕上げる作業は思いのほか手間がかかることはよくご存知でしょう。そのため、小さなことは書きそびれてしまうことも起こりえます。

ところがブログなら「記事を書く」だけの作業で、簡単にページを公開できます。つまりウェブ上において非常に「話しやすい」のです。同時に、コメントやトラックバックといった仕組みにより、他のユーザからのアクションを受けやすく、「話しかけられやすい」ということがいえます。この「話しやすい、話しかけられやすい」ことこそブログの本質なのです。

企業がブログを使うと、何が変わるのか?

「話しやすい、話しかけられやすい」ブログは、ウェブにおけるコミュニケーションを大きく変える力を持っています。これまで企業がホームページに掲載する情報は、かしこまった「公式発表」的なものが主でした。一方ブログなら、もっと気軽に、プレスリリースやIR情報のような堅苦しい表現でなく、ユーザに直接届く言葉でメッセージを発信し、そしてユーザからのレスポンスを得ることができます。

数多く運営されている「社長ブログ」は、企業トップの人間像を見せていくことで、その企業に親しみを感じてもらう、企業の思想や方針・活動内容を平易な言葉で伝える、などの役割を果たしています。例えば「何を食べた、何を見た」というような他愛のない日記から、社長の人柄や企業のカラーを伝えていくのも、ブログを使った一種の企業PR戦略となるでしょう。さらに、ブログで社長の思想や関心事を発表し、他のブログユーザとコミュニケーションを起こすことから新しい取引が始まる、人材をスカウトする、といった事例も見られます。ブログは広報やIRと並ぶ新しいリレーションシップのチャンネルとして、認知されつつあります。

また、現場で働くスタッフがブログを介して自分たちのメッセージを直接ユーザに伝えたり、商品の開発者、建築事務所の設計士など、これまで直接メッセージを発する立場になかった人たちが自分の言葉で語る、といった使い方もされています。職種をキーワードに「税理士 ブログ」、「運転手 ブログ」などで検索してみると、さまざまな職業の人がブログを開設し、仕事について話しているのが見つかります。こうした職業人ブログは、その職種への興味を多くの人に喚起させることに役立っているのです。その「職種への興味を喚起させる」役割を自社が担えたら……。ひとつのビジネスチャンスとなるのではないでしょうか。

事例:ムラウチドットコム 社長ブログ

好きだから書いている、好きでやっているブログに人が集まる
http://murauchi.info/

社長ブログの例は多々ありますが、PCや家電のオンラインストア「ムラウチドットコム」の村内伸弘社長ほど、気さくに「話す」「話しかけられる」ことをしているブログはあまりないでしょう。2000年からホームページで日記を始めた村内社長は、ブログブームを受けて2004年に日記をブログ化。一方ではあちこちのブログに気さくにコメントを残すなど、精力的な活動をされています。筆者の個人ブログにもコメントを頂戴したことがありましたが、何とフットワークの軽い方だろうと、大変印象深かったものです。

「ブログが好きです」と語る村内社長のブログは、営業的な話よりも自身のダイエットや時事の話題など、個人的なものが中心。ユーザからのコメントが多く寄せられ、和気あいあいとした雰囲気があります。商売以前に「社長ブログを読んで『コイツなら悪いことはしないだろう』と、ムラウチドットコムの認知・信頼感を向上させたい」をひとつの目標としているそうです。とはいえ、こういった理由は挙げておられつつも、根っこの部分では話すこと、書くこと、そして仕事が好きで書いてらっしゃるのだな、という印象を持ちました。

ブログの成果を定量的に把握することは難しいですが、村内社長曰く「社長ブログのアクセス数は前年比1.5倍になり、ムラウチドットコム自体へのアクセスも同じぐらいの割合で向上しています」とのこと。また、ブログを読んでもらうことにより、取引先や顧客が社長のキャラクターを知ってくれ商談がなごやかでスムーズになった、さらには社員との距離が縮まり社内の雰囲気も良くなった、という感触も得ているそうで、まさに目標としている通りの効果が出ているようです。


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