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社長が仕掛ける人材強化
第1回 『やる気にさせる仕掛け 訓話は短く!わくわくする情報を!』

社長がどんなに頑張っても、『社長の思い』が、社員に伝わっていなければ、企業は成長できません。
倒産している企業の共通課題は、特別な投資の失敗を除けば、社長と社員の意識のずれが原因です。
社長がしっかりした経営理念のもと、今後の方向性を示し、確実に実行させるリーダーシップをもっていれば、企業は成長できます。
では、社長としてどのようにして、管理職・社員に動機づけすればいいのでしょうか?
成長する企業をつくるため、社長が仕掛ける人材強化の方法を4回シリーズでご紹介します。

社長の年齢が高いほど、また過去にすばらしい実績と経験を積んだ社長ほど、部下に対する訓話が長い傾向にあります。
しかし、このように訓話が長くなればなる程、社長の思いが社員に浸透していきません。
では、どのようにすれば社員がやる気になるでしょうか?
一生懸命社員を育成しようと努力しておられる社長に対して、管理職・社員をやる気にさせるしかけをお話します。

社員は社長の行動力を見ている

こうすべきだ!という理論派が多い企業ほど、経営状況が悪くなっています。
行動的な社員が多い企業は、概して社長も行動的です。そして、企業成長力があります。
最近、社長の若返りが盛んになっていますが、それは、世界相手いや日本相手でもやはり行動力が重要だからです。しかし、何も年齢を若くすればいいと言っているのではありません。

世界相手といえば、ある日本の公立大学院には、多くの中国留学生が来ていますが、彼らのほとんどがドクターコース終了をめざしています。文系の場合、日本人は、まだ修士レベルの学生が多い中、中国学生のすさまじい学習意欲には驚かされます。ドクター終了後は、中国でのビジネス展開に意欲を示している人が多くいます。

さて、世界相手のビジネスを手がけている企業は、社長の行動も広範囲になります。月に半分は海外のどこかにいるという社長も増加してきました。また、世界相手のビジネスを展開していない企業でも、社長の行動先が海外である場合があります。
次から次にビジネスを展開するために、世界中で情報の収集を行っている社長が本当に多くなってきました。
社員は、このような行動的な社長が、海外でどんなビジネス情報を手に入れ、どのように展開するであろうかを、わくわくしながら待っています。

やる気にさせる訓話

社長が、管理職をやる気にさせるには、短くしかもポイントをついた訓話を行うことです。批判めいたことを言わないことです。『何とかこいつをやる気にさせよう』と思い、ついつい繰り返し長々いってしまう傾向があります。
この場合、管理職は『また同じことが延々と始まった』と思い、うつむきながらじーと耐えています。終わったあとは、ほっとした態度で晴れ晴れしています。
これでは、社長の一生懸命の訓話は台無しです。
実は、社長自身もすでに管理職の行動を見抜いていますが、しかし、あえてして同じことを何度も繰り返し行っている社長がいるのは確かです。

では、どうすればいいでしょうか。
管理職がわくわくして聞きたい訓話を意識的に作ることが重要です。
たとえば、さきほど述べた海外での新情報を訓話に豊富に取り入れることです。
自社の今後に役立つ情報は、狭い情報であえいでいる管理職にとって、新鮮です。
日本人は本当に成功話が好きです。ポイントをついた成功話を述べ、自社に応用のヒントを伝えることです。

社長が“見えない”会社

1000名の社員の顔がわかるというすごい社長がいます。しかし、拠点が多い場合は、なかなか社長と会話できる機会が少ないのも現実です。
入社5年たっても『入社時に社長のあいさつ話を聞いたが、その後一度も会話していない』 という社員も結構います。
管理職は、社長とじかに話す機会があり、その場で決定されたことをつかんでいます。
しかし、その決定事項を、部下に上手く伝えることができない管理職が多くなっています。結局、会社の方針も分からないまま、毎日忙しく動き回る社員が増加しています。これでは、方針に沿った社員の行動改革ができません。
部下に対して上手くコミュニケーションできる管理職育成は重要です。

社員の理想の上司となる

ある研修会でリーダークラス40名に対して、『理想とする上司はいるか』と聞いたところ手を上げたのはたった2名のみでした。
その2名に、理想とする上司は直属の上司かと聞いたところ、他の部門の上司と答えています。何を持って理想とするか個人的な見解が違いますが、同じ企業内でもなかなか理想とする人材が見つかっていないようです。
理想の上司の条件としては、『経営層で決定されたことを明確化・具体的に部下に示す』とか『決断と実行が早い』とか『責任感がある』『 新しいことを次から次に創造する』 などです。あるサービス企業の若手社員数十名に、理想とする上司の第一条件を聞いたところ、『 新しいことを次から次に創造し実現すること』という答えが返ってきました。

成果主義人事とやる気

多くの企業が導入した成果主義人事、しかし、なかなか思うようにいっていない企業が多い状態です。特に、『上手く目標設定ができていない』とか『評価があいまい』など運用面での課題が多いようです。
なぜかこれは人事制度構築時に人材方針が明確化されていないことと経営戦略が上手く浸透していないなどが考えられます。
経営戦略と人事制度をたくみに組み合わせ、目標設定をしなければ、どこまで成果をだせばいいかが不明確になります。
人事制度構築は、社長の重要な仕事でもあり、成果主義人事はいかに『 やる気 』を作り出すかにかかっています。
もし、社内に不満が多い場合、一度人事制度の内容・運用を再検討する必要があります。

著者プロフィール

伊神純子(いかみじゅんこ)
アップ経営コンサルタント株式会社 代表取締役
1985年サン電子株式会社入社、財務経理、システム企画、上場準備を経験。2000年アップ経営コンサルタント株式会社設立。中堅企業むけ経営戦略・成果主義人事・売上拡大・IT導入・開発生産改革等のコンサルティング実施。大手企業むけ管理職の部門戦略研修等を実施。 中小企業診断士・ITコーディネータ。
http://upkei.jp/

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