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「公開企業に聞く」シメオ精密株式会社
~公開に伴う社内体制の見直しに価値あり~

シメオ精密株式会社様は、1963年にシチズン時計グループの一員として腕時計用の軸受石の国産化を目的に設立され、その後、超精密加工技術を活かして電子工業部品の生産へと展開されている。主な製品には、時計用ステップモーター磁石、水晶振動子片、光通信用コネクター部品、カソード部品などがある。シメオ精密株式会社 様は、2000年9月にジャスダック市場に店頭公開されている。今回、株式公開プロジェクトの取りまとめ役であった野沢監査室室長(当時は企画部企画課長)に公開前の準備から、公開後のメリットまでのお話を伺った。

準備は4年前から

公開の狙いは何でしょうか

大きく4つあります。1つ目は、事業拡大に伴う資金調達手段の多様化と長期安定的な資金の調達による財務体質の強化、2つ目は、知名度と企業イメージのアップによる信用の増大、3つ目は、社員のモラル向上と優秀な人材の確保、4つ目が会社の運営の仕組みや業務全般の見直しによる効率性や安定性の向上です。

いつごろから準備されたのでしょうか

当初は1999年を目標としていましたので、1996年3月に正式なプロジェクトが発足しました。
非公式には、その前の半年から1年かけて関連情報の収集はしておりました。

プロジュクトのメンバーはどのような方ですか

プロジェクトリーダーは今井社長(当時は常務取締役企画部長)、サブリーダーは中島取締役総務部長(当時は取締役管理部長)、事務局は私と管理部経理課長、法務関連で人事課長、企画課の専任事務1名の6名です。実際の現場からは、業務フローの確認や業務の改善、資料の作成の必要な段階で入ってもらいました。

公開に向けた作業の大半は業務の見直しと定着

どのようなところから作業を始められましたか

証券会社の方に指導を仰ぎながら、社内業務の見直しから始めました。
それまでは、自己流の管理方法であったので、本来はそうすべきでないところで、役職の兼任があったり、組織の役割がオーバーラップしていることもありました。

作業の中心はどのようなところですか

現状把握と改善の繰り返しが中心です。規程を作り、規程に基づいて業務がされてるかを確認していきます。実際の作業のなかでルール化されている状態をつくることが時間のかかったところです。
また、公開企業として「牽制上」必要な体制に社内の体制を見直していきました。

「牽制上」必要な体制とはなんでしょう

スタッフ部門の役員が製造部門の役員を兼任するとか、本来、違った立場から見る必要があるのに兼任になっているとか、1つの組織でなんでもやっているような状態が「牽制」できてない状態です。
会計上のイメージでいうと、現金を扱う人と帳簿をつける人が一緒の状態です。したがって、人ごとの役割をしっかり決めて一人のひとが全部をやらない体制、間違いが起きにくい体制にする必要があります。パブリックな企業になるということは、不祥事が起きない体制にすることが必要です。

最も苦労された作業は何でしょうか

やり方の改善を検討し、規程を作り、実際の現場がそのとおりに動けるようにすることです。
工場(製品)毎のやり方を統合し、整合性をとること、そして、その通りに作業してもらうことが難しかったところです。
販売管理規程、購買管理規程、生産管理規程などは、既存のものがありましたが、整合性がとれていなかったり、牽制の状態が明確になっていなかったりしていました。規程を修正・作成し、牽制の状態を確立しつつ、社内に取り込めるかを検討し、現場にあった状態を作っていく必要がありました。

公開のメリットは意識が一人前になること

「IIの部」の内容について、審査官からどのような質問をされましたか

会社の体制なり、公開した後の情報開示体制などでしょう。直接は、証券会社の方におまかせしていますので、証券会社の方が考えた想定質問に答えられるように準備しました。

セグメントはどのように定義されましたか

時計部品事業、電子部品事業、情報機器部品事業に定義しました。
弊社の製品は、素材に近いものですが、最終製品の何に使われるかを考えて区分しています。水晶振動子にしても時計部品となったり、電子部品にも使われたりします。使われ方に応じてセグメントを分けました。投資家に分かりやすいためですが、このために、需要予測と生産計画の関係が分かりやすくなったメリットもあります。

公開のメリットは何でしょうか

資金面は大幅に改善されました。知名度も格段によくなりました。しっかりした管理をしなくてはと意識することからモラルも向上しました。下請け企業という意識から脱却でき、そのこともモラル向上に貢献していると思います。自ら情報を開示していくということで、(企業としての)意識も一人前になってきたと思います。

デメリットはありますか

特にありませんが、ある程度の作業の負担はあります。開示などの事務的な負荷はかかります。

公開にあたってコンピュータは活用されましたか

手で集計作業をしているところがあったので、できる範囲でパソコンに切り換えていきました。外部向けの資料と、内部の管理向けとが統合化されて出せるシステムの必要性を感じています。

今後公開される企業へのアドバイスをお願いします

忙しくはありますが、指導して頂く会計士、証券会社の体制ができていると、言われたことをこなしていけば、公開は可能です。もちろん、対外的に開示しなければいけない資料を作れる力は必要です。

【会社プロフィール】

  • 設立: 昭和38年
  • 代表者: 代表取締役社長 今井厚之助
  • 本社: 長野県北佐久郡御代田町
  • 資本金: 17億5850万円
  • 売上高: 96億円
  • 従業員数: 385名
  • 事業内容: 水晶デバイス部品、光学部品、光通信部品、情報機器部品、時計部品の製造・販売
  • ホームページ: シメオ精密株式会社様

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