「株式公開ドタバタ準備物語」
第3回 管理職が行うドタバタ準備
公開準備室が整い、次の段階は、いよいよ様々な準備を具体的に実行しなければなりません。その中で、事業に直結し、統括している管理職(事業部長クラス)の役割は、重要になってきます。通常は、公開準備室の中のプロジェクトメンバーとして、組織されます。
管理職が果たすべき役割
事業戦略つくり
プロジェクトメンバーとして選出された管理職が行うことは、自部門の事業戦略の実現です。
トップダウンで下りてきた中期ビジョンを具体的に実現するための戦略つくりから始まります。
ベンチャー企業において、特に開発中心の管理職は、戦略つくりを経験したことがない場合が多いため、戦略とは何か、どのようにして作ればいいかをよく研究する必要があります。経営環境や消費者環境が激しく変化し、競争先も変化してくるため、情報の収集、予測の信頼性において、確証性の高いものにしなければなりません。
また、歴史の長い企業においても、経営、消費環境の変化のスピードを読み取り、やはり、信頼できるデータを収集し、分析し、内部経営資源の状況も見ながら、戦略をつくる必要があります。
内部資源のうち、人材面については、必要人材の確保・教育・意識改革などを行い、次世代型人材を作り上げる必要性がでてきます。(この場合の次世代型人材とは、環境変化に対応できる人材をいいます)
戦略では、代替案も用意する必要があります。
部門計画の作成及び実績の差の原因とその解決
計画については、販売計画、利益計画、予算、仕入計画、生産計画、開発計画、資金計画、人員計画、投資計画などの各種計画があります。
計画は、内容、つくり方などに一定の方式を採用し、全社での統一フォーマットを使えば、その後の管理がしやすくなりますし、実績との差の分析ができるようなシステムの導入も検討すると便利です。
管理職は、担当部門の計画の責任者となり、計画達成が必須となります。
四半期発表にそなえ、月次レベルでの計画管理が必要です。
売上、営業利益、経常利益の計画と実績に差があれば、その原因を追究し、解決策を出さなければなりません。
この計画と実績の差の分析及び解決策は、翌月の第1週までには、完了するなど、経営のスピード化が求められます。
差別化・最適化の実現
以上に述べた通り、今後は、確実な業績達成が、第一命題となります。
事業内容に将来性があり、飛躍的に伸びる市場をとらえ、総力をあげて取組む必要があります。
特に競争が激化している事業では、差別化を図ることが重要ですが、その中でも『驚きの差別化』つくりが重要になってきます。そのためには、アイデア、企画力、プレゼンテーション力は特に重要になってきます。常日頃から右脳と左脳の活性化訓練により、創造性を身につけることも重要です。
当然のことながら、同じ考え、同じ行動スタイルをずっと続けてゆくのではなく、常々何が最適かを考え自ら積極的に行動する社員を多く作る必要があります。
今までの仕事のやり方を改革したり、ITの導入などでもっとスピード化、自動化、高品質化を実現できるスタイルに変えていくことが重要です。
部下の意識改革
"公開"という目標に向かって、部下全員の意識を改革することも大きな仕事になります。
部下のモチベーションを上げることと、モチベーションが上がった部下のインセンティブの2要素から考える必要があります。
部下のモチベーションを上げるには、「やれ!」と命令型から「自らチャレンジさせる」方式にもってゆくことが良いでしょう。
最近の多くの管理職の悩みは、「いかに部下にチャレンジ精神をうえつけるか」「より積極的に行動する部下にするか」です。
そのため、コミュニケーションの取り方やコーチング手法を取り込み、上司が部下に積極的にアプローチすることが多くなってきました。
特に、「公開」という目標を期限までに達成させるためには、組織力を高める必要があります。そのためには、部下一人一人に面接を行い、積極的に「部下の育成」を行うことが重要となります。
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