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知ってて当たり前の経営講座

第16回 社長と会長、専務と常務、役職名の違いはどこにある

会社によって偉いさんの役職名がさまざまですが。

会社法等の法律には「社長」・「会長」などの役職名の規定はありません。ですから、「社長」・「会長」や「専務」・「常務」などの名称を会社は自由に付けることができます。社長にあたる会社法上の名称は「代表取締役」となります。つまり、「社長」・「会長」などの職位はその会社が定める職制に基づく呼称にすぎないものです。

会社で一番偉いのは?

会社の「社長」は、多くの場合には筆頭の「代表取締役」がなる場合が多いのですが、「会長」や「専務」等が「代表取締役」である場合などもあり、「社長」職と「代表取締役」は必ずしもイコールではありません。

「代表取締役」は、「取締役会」が設置された株式会社において、「取締役会」より代表権を付与された者をいい、必ずしも1名に限られておらず、複数名でもよいことになっています。例えば、「社長」と「会長」の両方が代表権をもつ会社も少なくないのです。(法的根拠はありませんが、「社長」は通例、1名です。)

「役員」というのは何ですか?

「役員」は、会社の業務執行や監督を行う幹部職員のことをいいます。いわゆる経営者・上位管理職です。日本の会社法における「役員」は、「取締役」・「会計参与」・「監査役」を指します(会社法329条)。また、会社法施行規則では、「役員」に、これらに加えて、「執行役」・「理事」・「監事」などを含めています。

しかし、一般的な意味では、それよりも広く「執行役員」までを含む意味であることが多いようです。また、「役員等」という場合は「会計監査人」を含んでいます(同423条)。

「執行役員」は会社の業務執行を行う幹部従業員の役職をさします。会社法の「執行役」とは異なるので注意が必要です。「取締役」である者にも付ける(例・代表取締役兼執行役員社長)こともありますが、「取締役」ではない方が多いようです。

近年は、「取締役会」の意思決定を迅速化するためと「取締役」の過大な責任を避けるため、「取締役」の数を絞る傾向があります。そのため、「取締役」ではない役員待遇の幹部従業員に「執行役員」の役職を与えることがあります。

「執行役」とは何ですか?

「執行役」は、委員会設置会社の業務執行をおこなう機関です(同418条)。「執行役員」とは異なります。委員会設置会社においては、業務の決定と執行機関が分離され、前者は「取締役会」が、後者は「執行役」が担当します。この場合に、「取締役」には業務の執行権限はありませんが、「取締役」と「執行役」を兼任することは可能です。

委員会設置会社においては、「執行役」から選任され、会社を代表する権限を有する機関として「代表執行役」を置きます(同420条)。「取締役会」の構成員ではない点を除いて、委員会設置会社以外の取締役会設置会社における「代表取締役」に相当します。1人の場合もありますが、1人とは限りません。

「専務」と「常務」はどっちが偉いのですか?

「専務」と「常務」の関係は、本来は担当職務の違いに過ぎないはずなのですが、実際には「常務」は「専務」に次ぐ役職とされることが多いようです。

「専務取締役、専務執行役、専務執行役員」は、会社の業務全般の管理を担当し、「社長」を補佐する役員です。代表権がある(代表取締役、代表執行役)とは限りません。もっとも、代表権がなくても表見代表取締役(同354条)として、取引相手から会社の責任が問われる場合もあります。

「常務取締役、常務執行役、常務執行役員」は、会社の日常的業務を担当し、「社長」を補佐する役員です。代表権がある(代表取締役、代表執行役)とは限りません。もっとも、旧商法では代表権がないにもかかわらず「常務取締役」などの名称を付していた場合、表見代表取締役(旧商法262条)として取引相手から会社の責任が問われる場合もあるとされていましたが、会社法では明文から「常務」の文言は外されたために、単に「常務取締役」としたとしても表見責任は問われなくなったといえます。

【解説】

大抵の場合、社長の退任後は、会長職などに就き、後進の社長が退任していくにつれ、名誉会長、相談役、顧問といった名誉職につく場合が多いようです。しかし、近年ではいわゆる院政への批判から、名誉会長以上の名誉職を廃止するケースもあります。なお、企業によっては副社長を置くケースもあります

中小企業診断士 阿部 将美
[2009年7月9日 掲載]


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