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第14回 会計処理と税務処理には何の違いがあるのか?
会計の目的は何ですか?
会計の目的は「説明」で、相手は税務署や融資を受けるための金融機関などです。上場していれば株主となります。何を説明するのかというと、「適正な期間損益計算」の結果です。しかし、最近では企業の合併・買収(M&AやMBO)などが注目されるように、「企業価値を示す純資産額の計算」に移ってきています。収益も費用も本来あるべき期間に割り当てて適正な利益を、そして適正な純資産を算出して利害関係者に示そうというものです。
会計基準には、「○○は損失として処理しなければならない」といった費用(損失)処理を強制する条項が多く入っています。これは、投資家への財務内容を適正に開示するためで、後になって投資家に文句を言われないように、損をできるだけ早期に落しておこうとする考え方です。
税法の目的は何ですか?
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税法の目的は「課税の公平」にあります。世の中の普通の人であればできるだけ、税金を払わないですませようとします。そこで、昔からいろいろな人がいろいろ考えて税金を払わないようにしてきたという歴史があります。これに対して税法が追いかける形で法律を制定してきました。結果として、いろいろなややこしい税金の法律が出来てしまったわけです。
税金を取る(払う)ための会計である「税務会計」は、収益(益金)をできるだけ多く、費用(損金=税法では費用を損金といいます)をできるだけ少なくしようとします。税法の条文に、「○○は損金として認めない」といった損金(費用)の計上を制限する条項が多くなっているわけです。
会計処理と税務処理がぶつかっているわけですか?
法人税法22条では、「収益の額、原価、費用、損失の額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるものとする」と規定されています。つまり、税法でも基本的には会計処理の基準に従って処理するものなのです。しかし、「課税の公平」を維持するために、企業利益を調整することになり(これを税務調整といいます)、「別段の定め」をおいて会計処理と違うやりかたを規定しているのです。
【解説】
上場している企業には、守らなくてはいけない強制力を持つ様々な会計基準が適用されていますが(税効果会計・退職給付・企業結合等)、非上場で一定規模以下の中小企業に対しては、このような「基準」がなく、法人税法に則って財務諸表が作成されます。
しかし、会社法の改正にともなって、この非上場の一定規模以下の会社に適用されている会計処理を改めようと、まず中小企業庁が、次に日本公認会計士協会が、最後に日本税理士連合会が、中小企業に適用する「指針」を発表しました。そこに、日本商工会議所と日本会計基準委員会(上場企業の会計基準を作っている委員会)が加わり、それぞれの「指針」が統一化され、現在の「中小企業の会計に関する指針」が出来上がりました。
中小企業診断士 阿部 将美
[2009年6月11日 掲載]
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