Fujitsu The Possibilities are Infinite

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第49回 意外な英語表現

私が初めてイギリスに足を踏み入れたのがかれこれ32年前になります。
その時に耳にした英語表現が、学校で習った英語とまったく違って「へぇ~」と驚いたり、感心したりしたことを今でもしっかり覚えています。
あれから英語の教科書も進化を遂げて、このような格差は縮んできたと思いきや、先日、いまだに同じような体験をしてきた方たちとお目にかかって、ちょっとショックでありました。
一体どんな表現か、簡単なのに驚いた3大表現を集めました。

Excuse us

「すみません」と謝るのは、Excuse me だと頭に叩き込まれていた時代、あるとき、あるシチュエーションで、Excuse us と言われたのです。
それは、ミュージカルシアターでのことでした。
私の座席の前をイギリス人夫婦が通り抜けたくて、Excuse us.と、声をかけました。
Excuse us ? meではなくてus。
そうなのです。二人まとめて『私たちのことを失礼します』という意味だったのです。
Excuse meとそのまま一語のように覚えていた私は、こんなところで初めてexcuseのあとの目的語は状況に応じて当然変わることを知ったわけです。
それ以来、Excuse himだのher だのthemだのと、応用から使いわけもできるようになりました。

Do you have the time?

ロンドンにある英会話学校に通っていたときのこと、帰宅途中の路上で初老の紳士から突然、Do you have the time?と声をかけられました。
『タイムを持っていますか?』とそのまま訳した私。
何でこのおじさんが、私にタイム誌を持っているか聞くのかしら?
あ~、インテリの学生に見えたのかなあ。なんて思って、
つい、No, I prefer News week to Time.
(私はタイム誌よりニューズウイーク誌のほうが好きです)
と習ったばかりの表現prefer to を使って得意げに応えてしまいました。
そのあと大笑いの渦が暫し止まりませんでした。
そうなのです。Do you have the time?とは、『時間は何時かわかりますか?』の意味だったのです。
ちなみに、theがなくてDo you have time?だと『時間(暇)ありますか?』の意味となります。
Do you have time for lunch?
(お昼食べる時間ある?)
のように使います。

Give you a ring

それこそ初めて好きになった近所の英国男性から笑みをたたえて言われたのが
Ok I’ll give you a ring this weekend if I have time.
何か一言二言あった後にこの言葉を言われたのですが最初に言われた分が早くて聞き取れず、この言葉だけが耳に残ったのです。
なになに~。「時間があったらこの週末に指輪をあげたい」って?
うそお~。こんなステキなことって簡単に起きていいわけ?
ろくに話もしていないのに、もう指輪をプレゼントされるなんて~。
夢心地で過ぎた週末でしたが、結果はもう予想の通り。
届いたのは、指輪ではなく、ただの一本の電話でありました。
Ringとは電話のことだとは、つゆ知らず。
今では私もしょっちゅう使っていますが、いつも思い出し笑いがついて回ります。

皆様はどんな英語表現の思い出がありますか?
是非とも教えてくださいませ。


石橋眞知子(いしばし まちこ)
エッセイスト&プロデューサー
学習院大在学中から深夜放送のパーソナリティとして活躍。
シカゴ・ノースウエスタン大学で日本語講師。オックスフォード大学留学。
異文化コミュニケーションやマナーをテーマに執筆やエッセイ、そして講演会などで活躍している。
現在の執筆活動の拠点は産経新聞「ビジネスアイ」。日曜版5面「女の本音・男の本音」、木曜版1面「よのなか万華鏡」を執筆、その視点にはたくさんのファンから絶賛を浴びている。
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