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第8回 食欲の秋はクッキングに挑戦 - 2

「やっぱり牡蠣でしょ?」「河豚の季節ですよね?」
晩秋色に模様替えしたメニューを前に、ヤレこれが食べたい、イヤこっちもおいしそうと、悩むのが実は、食いしん坊にとっては楽しいひと時です。メニューをじっくりと見ていくと、素材を大切にする日本料理は、「切る」「焼く」「煮る」「揚げる」を駆使してその素材の持ち味を十二分に生かそうとします。
まさに料理が、芸術といわれる所以でしょう。
さて前回に引き続き、今回も料理に使われる表現、cooking Englishに挑戦。「焼く」と「揚げる」でまいりましょう。
まず、「焼く」。
欧米では、素材を生で食べるか、煮込むか、焼くか、ほとんどがオーブンを使った料理が現在の食文化を形成していると言っても過言ではありません。
ゆえに、多彩な「焼く」の表現があります。
しかし、用途と素材によって同じ「焼く」でも言い回しが違うので要注意。
使い分けを頭に入れておけば、完璧です。

fry
フライパンを使う場合はすべてfry でOK。日本語でフライと言うとどしても「揚げる」意味になりますが、英語では油を敷いて焼くときはすべてfry。朝食定番の卵料理の一つに、目玉焼きは「fried egg 」となります。

roast
オーブンを使う料理の定番表現。
さて、サンクスギビングやクリスマスのメイン料理は、ご存知roasted turkeyです。この料理の醍醐味は、stuff(詰め物)にあります。
七面鳥のおなか(?)に入れる素材が各家庭によってまったく違う。
たとえば私がお世話になったアメリカのママは、りんごとレーズン、ナッツ類を山ほど詰め込んでいましたし、またNYの友人宅では、パンの耳とバナナとりんご、野菜くずなどを混ぜ合わせていたのを覚えています。
どの家庭も代々受け継がれて来たレシピを誇りに思っています。

broil /grill/bake/toast
また直火で焼き上げるときは、broil を使い、秋刀魚やお餅など、網焼きにして焼くときは、grill を用いましょう。わが日本の家庭にもBroilerやgrillerがついているコンロやガス台がほとんどですよね。
そして私たち女性が好きなケーキやパンを焼くときは、bake です。bake を専門職にする店が、bakery 、つまりはパン屋さんとなります。
そのパンをトーストにするときは、カタカナ英語どおり、toast を使います。
パリッと表面だけ焼くイメージですので、海苔を焼くときにも使えます。

番外編
冬は日が短くて凍てつく日々が続くヨーロッパでは、反対に春と夏の夜が極めて長く、太陽の光もとても穏やか。このときとばかり、彼らは暇さえあれば家族揃ってピクニックをします。ピクニックと言っても、中庭だったり、近くの公園だったりとお手軽ですが、必ずや登場するのが、バーベキュー。
父親が主導で、肉や野菜、ホットドッグパンなどを焼き、子供たちはお手伝い役。ちゃんとそこには親子のコミュニケーションが成り立っています。そのときの「焼く」は、barbecue です。
次に「揚げる」に行きましょう。
fryの前にdeep をつけて deep-fry が正しい表現ですが、日常的にだんだんdeepを省略している模様。サラダオイルで揚げる場合は、(deep-)fry vegetables in salad oil.
としてin を使いましょう。

ここまでお読みいただいて、「なるほど」と少しだけ思ってくださった方がいらしたら、是非本屋さんにいらしてください。洋書売り場にはステキは料理本がいっぱい並んでいます。今年のクリスマスには、その本のレシピから逸品を作ってみてはいかがでしょうか?
おいしいお料理が出来上がるときは、レシピと英語と一挙両得となるわけです!

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よろしくお願いいたします!


石橋眞知子(いしばし まちこ)
エッセイスト&プロデューサー
学習院大在学中から深夜放送のパーソナリティとして活躍。
シカゴ・ノースウエスタン大学で日本語講師。オックスフォード大学留学。
異文化コミュニケーションやマナーをテーマに執筆やエッセイ、そして講演会などで活躍している。
現在の執筆活動の拠点は産経新聞「ビジネスアイ」。日曜版5面「女の本音・男の本音」、木曜版1面「よのなか万華鏡」を執筆、その視点にはたくさんのファンから絶賛を浴びている。
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