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出荷ミスゼロへの挑戦 ハンディターミナルを用いた出荷検品システム
大野ゴム工業株式会社 様

大野ゴム工業株式会社 様は、1941年の創業以来、ボーダーレス時代の自動車産業界において、ゴム製品の開発提案型のメーカーとして「ものづくり」に軸足を置いた経営をされている。工業用ゴム製品全般を扱われるが、特に自動車用ゴム製品の「優良補修部品」メーカーとして業界トップの位置にある。

平成13年には創業60周年を迎え、大野ゴム工業株式会社 様はISO9001の取得により、より高い顧客満足度を品質目標の第一として、業務改善を進めている。今回、物流業務の精度向上と効率化を目的に、出荷検品作業のシステム化を行われた。


社内会議で「出荷ミス」をいつも指摘されていた

矢板デリバリーセンター所長 山田 治正氏「以前は、会議のたびに出荷ミスを指摘されていました。」と矢板デリバリーセンター所長の山田氏は語る。
「出荷ミスがかなりありました。それが累積された結果、実際の在庫量と我々で把握している数値との誤差もかなり出ていました。」
実際、システム導入以前は、出荷ミスが月々30件以上も出ていたそうである。 大野ゴム工業株式会社 様の矢板デリバリーセンターでは、平置き倉庫に約4千点、自動倉庫に約3千点の部品を持ち、1か月に延べ約4万点の部品を出荷されている。これだけの部品を間違いなくお客様の所へお届けするのは容易なことではない。
出荷ミスは、経費の直接的損失ばかりでなく、お客様への信頼を損なうことにもなるため、営業部門から強い改善要求が出ていた。また、在庫量が正確でないため、営業がとった注文量をすぐに出荷できないという問題も発生していた。

まず、出荷検品作業をシステム化

戦略情報担当課長 石田 秀幸 氏これまでは、入荷から出荷に至るまでの倉庫内で行う作業は、紙ベースの指示書に基づき、作業員が手作業で行っていた。「手作業が入ると、その時点で人為的なミスが発生する可能性が出てきます。そして当然工数もかかります。この部分は少しでも減らすべきなのですが、業務のやり方を一度に替えてしまうと現場で混乱が起きるので、今回はまず検品作業のシステムを導入することにしました。」(戦略情報担当:石田課長)

HHT(無線ハンディターミナル)とプリンタ。検品した製品の一覧はプリンタから出力し、梱包箱に貼り付けておく出荷情報が入力された無線ハンディターミナル(HHT:写真左)を倉庫内に設置、それで各製品に貼られたバーコードを読み取り出荷情報と照合、倉庫内からピッキングして集めてきた製品に間違いがないかをチェックする。チェックが終わって製品が出荷されれば、HHTから出力された出荷データを元に出荷伝票や納品書が自動的に発行される。

この出荷システムと業務の概要を下図に示す。このシステムは、HHTを使用し、入出荷作業を効率化する弊社の物流管理パッケージ「LOMOS/在庫管理」を用いて構築した。

出荷システムの業務の流れ図

作業に自信が持てるようになった

今回のシステム化により、効率化面、品質面で以下のような効果がでている。
  • 出荷伝票の発行などの事務作業の効率化により、事務員が4名から2名へ削減できた。
  • 新人のパートタイマーが仕事に慣れるのに、1か月から1週間で済むようになった。
  • 出荷ミス件数が月30件以上あったのが、月5件以下になった。
  • 実在庫との誤差は、3%以内になり、以前の3分の1から4分の1にまで減少した。
戦略情報担当課長 白川 晴敏 氏このような数字で見える効果の他に、管理面、意識面でも非常に良い方向に向かっている。
「以前は、正確な履歴がなかったので、出荷後に製品が足りなかったというトラブルがあっても、それがどこで発生したかの原因を追求することができませんでした。」と戦略情報担当課長の白川氏は語る。つまり、先方の勘違いか出荷ミスかの判断ができなかったため、営業(お客様)から「足りない」「届いていない」と言われれば、製品を送り直すしかなかった。

「最近は、営業所長にもう一度お客様のところに行って確認してみてくれ。」と言えるようになったと山田所長は語る。「パートさんも作業に自信を持ってきてます。うやむやにはできません。」ということである。
こうした出荷担当者の意識の向上が、営業の意識も変え、ひいてはお客様の認識も変えてきている。クレームの多かったあるお得意様からのクレームが全くなくなったという例もでてきている。

今後の展開

矢板デリバリーセンター には右のような品質方針・品質目標が掲げられている。この目標は、今回のシステム化により達成に近づいた。さらに確実なものにするために、「今後は入荷やピッキングのシステムも導入していきたいと思っています。今回のシステム導入でノウハウが得られたのと、システム化の利点が社内で認知されたため、今後のシステム導入は比較的容易に進むものと考えています。」と石田課長は語る。

物流センターばかりでなく、工場なども今後のシステム化の対象である。「社内業務には、まだまだ改善の余地があると思っています。今後同様の効率化を進めていけば、売上水準が増えなくても利益を増やしていくことは十分に可能でしょう。デフレの中、売上よりも費用や利益を重視する『デフレ耐久型』の企業体質を作っていくことは大切なことだと思います。」(山田所長)

デフレに対応するための気運が社内外で高まっている現状は、業務改善を進めるという意味では、企業にとってチャンスでもある。大野ゴム工業株式会社様は、今回の業務の改善をステップとして更なる効率化や品質向上を実現されるに違いない。
矢板デリバリーセンターに掲げられている品質方針

<会社プロフィール>
会社名 大野ゴム工業株式会社
代表者 代表取締役社長 大野 洋一
本社 東京都港区
資本金 2,630万円
売上高 37億円(2003年1月)
従業員数 200名
事業内容 自動車用ゴム及び工業用ゴム製品設計・製造販売
  ISO9001:2000 取得
ホームページアドレス 新しいウィンドウが開きますhttp://www.ohno5825.co.jp
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