 |
株式会社 松商 様は、学生服、セーラー服メーカーが集まる倉敷市の児島地区で学生服専門に製造・販売をされている。少子化やブレザーの着用の影響で、学生服の需要は、年々少なくなってきており、専業メーカーである株式会社 松商 様の売上高も平成元年の5億円をピークに減少の一途である。このような環境にありながら、早くからコンピュータの導入には積極的であった株式会社 松商 様は、今回、経営のスピードアップ、効率化のために、基幹システムを再構築された。 |
株式会社 松商 様は、中学生向けに「ベースキャンプ」、高校生向けに「マスクローズ」というブランドで30年にわたって販売されている。一時は、長ガクランなど「変形学生服」の製造で、一世を風靡したブランドでもある。「非行化に貢献してしまったかもしれないね(笑)」と、創業者であり代表取締役の松下氏は、当時のカタログを見ながら懐かしそうに語る。現在は、昔ほどの売上は期待できず、従業員も少なくせざるを得ない、店をたたむ取引先も多いという状況ながら、「120店ほどの小売店とは長らくおつきあいしています。縮小はしましたが、現在は安定しています。」とのことで、昨今のデフレ環境にもかかわらず、経営を安定軌道に乗せられているようである。
|
| 「いいものを、安く」が経営方針の根幹である株式会社 松商 様の営業のやり方は、お客様にこうすれば儲かるというノウハウを伝授しながら取引先を増やすといった方法である。「人口が5万人くらいの地域なら、私に任せば、学生服に関係ない雑貨屋でも2,000万円くらいの売上が立つようにします。最初はお客様も半信半疑ですが、パンフの作り方、対応の仕方、売り方を教える。名簿を集めて、しっかり販促して、訪問販売、電話、近所回りなどするよう指導する。」といった具合である。「最近では、売上が、4,000万円から2,000万円に落ちて、店をたたみたいというところには、2,000万円でそろばんが合うように教えています。」 松下社長のこういった「取引先のために如何に貢献していくか」を考える姿勢、やり方が、厳しい環境で、同業他社が店をたたむ中で生き残ってこれたのではないかと思われる。 |
生き残り策として、リストラを含むコスト削減を継続して行ってこられた。コンピュータの導入もその1つである。今回、再構築された株式会社松商 様のシステムは、生産計画から、資材仕入、受注、在庫管理、出荷・入金・請求処理に至る業務の流れに沿って独自に作成されたシステムである。これまで、オフコン上で運用されていたが、オフコンのリース切れに伴いパソコンベースでの運用に変更された。以前と比べて、売上の集計などの作業が大幅に効率化された。「以前は、あるお客様の月々の売上一覧表を出そうとすると、1時間くらいかかっていました。今では、5秒ほどで出てきます。また、その表をまとめることは手作業で行っていましたが、今は、瞬時に見れます。」と営業部長の大森氏は語る。
システム構築作業は、COBOLで書かれていたプログラム90本を移行することで完成した。移行期間は4か月であった。システムの概要図を下記に示す。 |
「劣等街道まっしぐら、俺たちゃしょせんは二人で一人。兄弟仁義交わしたマブダチさ。義理と人情秤にかけりゃ、義理が重たい・・」
変形学生服全盛の時に作られたカタログの『爆』という大きな字の上に書かれたセリフである。学生服業界も平成元年からは劣等街道を歩んできているのかもしれない。しかし、廃業に追い込まれる会社が多い中でも生き残る会社もある。中小企業は大手企業とは違う対策もとれるし、対応もできる。株式会社 松商 様では、宣伝費、人件費などの経費の削減や、入学式の2週間前でも別注(規格外のものの注文)を受けるなど取引先、消費者への柔軟な対応により中小企業ならではの特色を出している。「学生服に流行はない。」(松下社長)なかでの差別化の基本は「自分の利益でなくお客様のことを考える」姿勢である。
インターネットの掲示板を覗くと、「ブレザーよりもキリッとした学生服がいい」という女子高生は多いようであるし、小生の回りの女性も学生服派が多いようであるが・・ガンバレ!学生服。 |
| 会社名 |
株式会社 松商 |
| 代表者 |
代表取締役 松下 寿雄 |
| 所在地 |
岡山県倉敷市 |
| 売上高 |
1億2000万円 |
| 事業内容 |
学生服の製造・販売 |

|
 |