Fujitsu The Possibilities are Infinite

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アイホン株式会社様

営業希望納期への達成率95%超を実現
-協力工場を含めて生産をコントロール-

[2005年2月16日 掲載]

導入事例キーワード
業種: 流通
ソリューション: 生産管理
製品: PRONES、GLOVIA/SCP Factory
課題と効果
1 計画の変更ができない、一方通行のシステムであった。 スケジューラ機能のある生産管理パッケージを利用することで、計画の見直しができ、協力工場との分業をコントロールすることができるようになった。
2 生産の状況が見えていなかった。 都度、作業実績をシステムに入れることで、現場が自分の判断でアクションをとれるようになった。

アイホン株式会社様は、インターホンを中心としたコミュニケーション/セキュリティシステムの製造、販売、アフターサービスまで一貫して行い、昭和23年の設立以来、セキュリティ意識の高まりという時代の流れもあり、ほぼ右肩上がりで業績を伸ばされている。インターホンの納入は、完成した建物のお客様への引き渡し直前の時間的に余裕のない時期であるため、納品遅れは許されない。アイホン様は、今回導入された生産管理システムにより、在庫を増やさず、納期達成率を向上した。

システム導入の背景

工場間の同期化と統合が課題

羽田野 進
アイホン株式会社 取締役 生産本部長

アイホン株式会社 様は、多くの協力工場に生産を委託されているが、以前のシステムでは、各工場の生産能力、シフトの違い、立地条件などの特性を考慮して計画を立てる機能がなかった。また、計画を入れてからの変更は多くの手作業が必要な状態であり、融通が効かないものであったという。生産本部長の羽田野取締役は、「以前は、各工場の計画と現実のズレなどにより、仕掛の山ができることもありました。」と語る。そこで、あたかも1つの工場のように統合された流れをつくることが今回のシステム導入の大きな目的であった。この背景には、「変化に対応し、お客様のご要求にピッタリ生産を合わせること」(同取締役)という指示があった。
また、以前は、生産の状況が見えていなかった。例えば、欠品にしても欠品していることしかわからなかった。どのような欠品か、全量欠品か、少しはあるのか、残りはいつごろ入るのかがわからなかった。作業実績にしても、月次の集計のためだけになっており、リアルタイムに情報が反映されていなかった。最新情報を個人個人がかかえている状況であった。したがって、情報を皆が共有できるようにすること、生産の状況を見えるようにすることがもう一つの課題であった。

システム導入の方針

培った知恵を活かす

今枝 悟
アイホン株式会社 情報システム部 課長

生産管理のシステムを見直すにあたっては、現場主導でゼロベースでパッケージを探された。ポイントは、「規模の大小や、立地や稼働日・稼動時間の違いなどの各種制約条件の違った工場を同期をとって、あたかも一工場のように全体として効率よく動かせる、また、そのなかの情報を一元的にみることができる」ことである。そのためには、「APS方式(注1)のスケジューラをもつ生産管理パッケージを導入するのが一番いい。」(今枝課長)という結論に到達したとのことで、生産管理パッケージ「PRONES」とスケジューリングツール「GLOVIA/SCP Factory」の組合せを選択された。パッケージ選択の理由には、培ってきた生産ノウハウ(工夫、知恵)を活かすためには、カスタマイズが必要になるため、カスタマイズのし易さもポイントであった。
「突拍子もない冒険をするのでなく、これまでの製造現場の知恵(注2)をうまく活かすことを考えました。その中で手作業でやりくりしていたところ、あるいは、管理の工数をかけて維持していたところを効率化するように考えました。」と情報システム部の今枝課長は、導入の方針を語る。
(注1) APS方式 : 実際の製造時間をモデリングするスケジュール方式。何時何分に始めれば、何時に終わるかを実際の製造能力に割りつけてスケジューリングする。各工場の能力を細かくみてスケジュールする場合に適する。
(注2) 知恵 : 協力工場の材料調達などの運営方法、協力工場とのやりとりの仕方など。

システムの概要

システムと人間で計画を練る

システムの概要を下図に示す。見込みや個別受注からの製品レベルの生産計画をもとに、「PRONES」で手配(作業指示)を作り、「GLOVIA/SCP Factory」に渡す。 「GLOVIA/SCP Factory」は、各工場の休日や労働時間の違いなどの負荷を調整して計画を作り直す。システムで機械的に出力したこの計画をベースに、現場の都合、納期の都合をラインの担当者も交えて検討する。人間が検討した結果を再度システムに入れ、その出力をもとにさらに調整する、という方式で運用している。
「PRONES」は、生産状況全体を見ている。構成する部品がいつまでにどのタイミングで必要かを計算し、それぞれの部品の加工、仕入先への手配を指示する。部品点数が1万5千もあるアイホン様の場合、1日数千件の指示(伝票)が出ている。作業の区切りごとに、現場では実績を入れる。都度、実績を入れることで、正確な在庫が掴め、スケジュールの見直しもより正確にできる。実績(進捗情報)は、自社だけでなく、協力工場からもリアルタイムに送られてくるようになっている。

システム概要
システム構成図

導入の効果

分業をコントロールできるようになった

「先が見えるようになり、事前管理が可能になりました。これまでは、『これできる?いつ?これできる?いつ?間に合う?間に合わない?もうちょっと頑張ってよ。』といったような確認もしていました。二次加工品が複数の工場にまたがって作られていると、その組み合わせでいつできるか?ネックはどこか?などを確認することは大変でした。」と羽田野取締役は語る。システムを導入してからは、短時間で質の高い生産計画ができるようになった。部品でリードタイムが長いものは内示を入れて120日もあるが、営業情報をもとに向こう6カ月までの計画を入れ、実行可能な計画を練り込んでいくことができるようになった。3カ月先にこれをいくつ作る、4カ月先にいくつ・・・ということを部品や仕入先毎にばらし、調達したい量の情報を仕入先と共有し、同期をとって先々の変化に対処していくことができるようになってきた。「分業をうまくコントロールできるシステムになりました。」(羽田野取締役)とのことである。
「現場が自由に情報を参照、加工できるようになり、自分で調べて、自分で考えて、自分でアクションできるようになりました。例えば、先々の欠品予測シミュレーションなどにより問題点を事前に察知するといったように、状況を自分でみて判断できるようになりました。現場の作業の幅が広がりました。 」と今枝課長は語る。以前は、紙をベースにした指示系統であったが画面ベースに変わった。作業指示書だけは現在も残っているが、納期の情報、工程の進捗、各種帳票など確認だけのものは画面で済ませられるようになった。さらに、生産情報を一元化したことで、「部署間の問合せ、調整が減り、目に見えない管理コストも大幅に減っている。」(今枝課長)といった波及効果も出ている。
結果として、顧客満足向上の指標である希望納期達成率(営業の希望納期に対してどれくらい対応できているか)でみて、年間通じて95%以上を達成できた。「これまでは、在庫を増やして対応していましたが、昨年は、在庫を増やさずに繁忙期でも95%を達成できました。これは、なかなか達成できなかった非常に高いレベルであり満足しています。」(羽田野取締役)という。

今後の展開

さらなるスケジュールの短縮を目指す

システム的に大きな変更の予定はなく、当面は、スケジュール作成のサイクルをさらに短くしていくことが目標である。「システムが確立したあとは、入口と運用が重要です。需要予測の精度とシステムをどう使うかの問題です。10数年間かけて自分達の仕事のやり方を作り上げてきたわけですから、まだ、なじむ時間がかかっています。慣れれば、計画作成サイクルを旬単位から1週間単位へ縮めることも可能になってくると思います。」(羽田野取締役)とおっしゃるように、システムになじみ、システムの潜在能力を引き出すことが当面の目標である。その後は、部品メーカーとの連携をさらに深めたり、海外の工場との連携ができるように発展させていきたいとのことである。「海外との連携は、部品などの調達LTなど時間軸が違い難しい。国内と同じ感覚ではできない。」(今枝課長)とのことであるが、国内で様々な工場との連携をうまく軌道にのせられた経験をもとに、海外工場との連携システムもうまく稼働させていかれることでしょう。

【会社概要】

アイホン株式会社

  • 代表者: 代表取締役社長 市川 周作
  • 本社: 名古屋市
  • 売上高: 318億円
  • 従業員数: 950名
  • 事業内容: 各種インターホンの製造・販売業
  • ホームページ: アイホン株式会社ホームページ

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