FTUF人材開発の小道場
人材の育成・開発について一緒に考えていきましょう!
第4回 プロフェッショナルコミュニティーとは
S氏 「先生、前回は人材開発を進めるためにキャリアフレームワークを策定し、キャリア開発の制度と運用を定着させるために必要不可欠な要素を学んだのでした。その中で特にプロフェッショナルコミュニティーの形成、人材活用とジョブへのアサインの実践でビジネススタイルの変革を図ること、そして人事制度変更との連動、といったことがポイントでしたね。」
博士 「うむ、いいぞ。今回はそれらの中でプロフェッショナルコミュニティーにスポットをあててみようというわけだ。」
S氏 「はい。わかりました」
博士 「プロフェッショナルコミュニティーとは、専門分野(プロジェクトマネージャ)やテーマに対して熱意を持った人材が組織横断的に集まったバーチャルな組織であり、職制上の実組織とは異なるのだ。次図にコミュニティーと実組織の関係を図示しているが、認定作業(面接等)や、後継者の育成(講師等)といった作業まで含まれておるのじゃ。」
図4) プロフェッショナルコミュニティーの概念図

博士 「コミュニティーが形成されると、実力がみとめられた個人(通常認定者)は、実組織と組織横断のコミュニティー(バーチャル組織)の両方に所属することになるのじゃ。キャリアフレームワークをベースとした人材開発が定常的にまわりだした時点のコミュニティーのミッションには以下のものがあるのだよ。」
- 高いレベルを持つIT技術者の交流を通し、知識・ノウハウ共有を通して、IT技術者相互で切磋琢磨し、IT技術者の質の向上を図る。
- 方法論や、知識体系、必要とされる教育を具体化し、IT技術者の育成とビジネスへの貢献を図る。
- キャリアフレームワークの構成要素を見直し、キャリアフレームワークの維持・向上を図る。
S氏 「この図によると、コンサルタントとかプロジェクトマネージャーといった専門職が、組織横断的に集合して、お互いの意見交流をはかったり、事例発表を行ったりするわけですね。」
博士 「うむ。コミュニティーはWGとは違って認定権限や、人材像決定権限などが与えられ、また、教育プログラムの内容検討、必要スキルの決定などもてがけなければならんのだ。」
S氏 「はい。納得です。」
博士 「プロフェッショナルコミュニティーにはボランティアの集合体的な性格があり、その活動(WG)の成果(例えば教育プログラム等)を形にしていくには、人材開発部門等の支援組織の協力が必要となるのじゃよ。」
S氏 「なるほど。人材開発部門はコミュニティー支援策を検討しておく必要があるわけですね。」
博士 「コミュニティー活動を機能させるためには、キャリアフレームワークの信頼性をコミュニティー自身に高めてもらう必要があるのじゃ。そうすることにより、人事にとっては制度決定の妥当性、人材開発にとっては教育コースの具体化、技術部門にとっては技術ノウハウの共有化が実現されるのだ。さらに、認定者の中から教育講師やメンター(優れた助言者・良き指導者)を選定し育成することもコミュニティーの重要な役割となるのじゃよ。」
S氏 「素晴らしいことなのですね。まさにコミュニティーは組織横断的に会社全体に貢献する活動として、社内のみか社外におけるプレゼンスも高めていくことになるわけですね。」
博士 「うむ。よく理解したようじゃな。今まで4回にわたり人材開発の進め方のポイントについて、一通り考えてきたわけじゃが、いかがでしたかな。」
S氏 「はい。会社に戻ってから、かなり実務に生かせそうだと自身が持ててきました。それから、当コーナーの末尾の参考サイトの中に『人材育成の仕組み整備を支援する富士通グループのサービス』というのがあるのですが、具体的なメニューとして大変充実していますよね。」
博士 「まさにその通りじゃな!では次回は少し話題を変えて、コーチングを中心にコミュニケーションについて考えて行くぞ。」
S氏 「道場に来るのがますます楽しみになって来ました。ではこの次もよろしくお願い致します。」
