すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる!

大橋 禅太郎一 (著) 大和書房
「考えても答えが出ない」そんな状況がみるみる変わる「すごい会議」のやり方とは?
サマリー
ここで紹介する「すごい会議」は、僕がシリコンバレーで『ガズーバ』という会社を起業したときに出合った“マネジメントコーチ”というサービスのことだ。
最初は半信半疑でやっていたが、当時16人だった会社が、半年で60人の会社に成長したのを見て、一番抵抗していた僕が、そのパワーにすっかり惚れこんでしまった。
2001年に、ガズーバを売却することができ、しばらく自由人をやるチャンスに恵まれた。そして、求められるままに日本各地を講演してまわるようになった。
おもに経営者に向けて話すのだが、その中で自分が体験したマネジメントコーチの話をしてきた。すると、きまって「やり方を、ぜひ教えてほしい」という要望が出た。
そこで、僕のコーチであったハワード・ゴールドマンを日本に招き、日本でマネジメントコーチサービスを開始した。この方法で成功している会社が、さらに成功するのを目の当たりにした。
「すごい会議」とは、具体的にはどのようなものなのか。まず、全員が自分の考えを紙に書き、書いたことを順番に発表していくのが基本になっている。
書いてから話すメリットは、次のようなものだ。
- 話を短くまとめることができる
- 自分の考えを書くことによって、再認識できる
- 記録として残せる
何より、書いているときは、ほかの参会者の意見が聞こえない。反対に、紙に書かずに、ただ順番に発表していくと、本当は「自分の提案」があったのに、勝手に自分で修正して「だれかの提案」に重ねてしまうことがある。
書いてから話せば、ほかの人に左右されない意見を発表することができる。これが書くことの最大のメリットといえる。
「何かを達成できない」とか「思った通りのスピードがでない」と思っていて、それが何らかの障害物のせいだと考えるなら、その障害物は具体的に何なのかを考えてみる。たとえば「会社が面白くない」のが障害物だとする。
次に、これを「どのようにすれば~」で始まるクイズに書き換えてみる。上の例で言えば「どのようにすれば、会社が面白くなるだろうか?」と考えてみるのだ。
多くの場合、意識は問題の理由、「なぜ会社が面白くないか」に向けられているものだ。しかし、その質問を本人にしたところで、まともな理由は返ってこないことが多い。
そこで、クイズのかたちにしてみるのだ。すると、答えの輪郭が見えてくる。さらに、もっと面白いクイズにすれば、他の人までが、一生懸命考えるようになる。
たとえば「どのようにすれば渋谷で一番魅力的な会社を作れるだろうか?」といったクイズにするのだ。こうした質問に答えることができれば、それだけで問題解決に一歩前進するものだ。
考えつく限りの問題や懸念を読み上げ「どのようにすれば~」に置き換えていく作業が一巡したら、今度は「言わなかった問題、言えない問題、言ってはいけない問題は何か?」を書いてみる。そして、同じように「どのようにすれば~」のかたちに書き換えてみる。
面白いのは、最初に出てきた問題よりも、後半に出てくる、言えない問題、ひどい真実のほうが、経営をやっていくうえで、より重要度が高いものであることが多いということだ。
これらを放っておいたままで、最初に出てくる問題をなんとかしようとして苦戦している会社が多いが、それでは問題の根を絶やすことはできない。
組織がより高い成果を出すにためには、当事者が覚悟しなければならない。答えられないことに答えさせようとするこの質問は、当事者の覚悟を試す質問なのだ。
コメント
本書は、アメリカで起業に成功し、現在はコーチとして活躍する大橋禅太郎氏が、アメリカで出会った、会社を劇的に変える会議「すごい会議」の具体的なやり方を解説したものだ。
会議のあり方に疑問を感じている人は多いと思う。連日、日本中の会社で、無目的に繰り広げられる不毛な会議たちに喝を入れてくれるのが本書だ。
書籍そのものはページ数も少なく、また著者の読ませる文章で、あっという間に読めてしまう。それだけに理解しやすく「さっそく、すごい会議をやってみたい」と思うはずだ。
実践する際、役立つのが巻末の「すごい会議のやり方」という付録だ。「すごい会議」を、一連の流れに沿って詳しく解説したマニュアルで、約50ページある。この部分だけでもおつりが来る。
「すごい会議」は、コーチが考案しただけあって、参加者が質問に答えながら進められ、最後にひとつの結論に到達するように設計されている。
コーチングが、さまざまな気づきを与えてくれることは、ビジネスの現場でも実証されつつあるが、これを会議の活性化の手段に応用した点は慧眼に値する。
米国生まれということもあり、「日本で使えるのか?」と心配する御仁も多いと思うが、コーチングが日本に根付いたように、「すごい会議」も日本で実績を上げている。
「会社の会議の生産性をあげたい」と考える前向きな方はもちろん、実りのない会議に嫌気がさしていて「この時間を少しでも快適な時間に変えたい」と考えている人にも、是非一読をお勧めしたい。
記事提供:藤井 孝一/ビジネス選書&サマリー
