Fujitsu The Possibilities are Infinite

 

会議革命

齋藤 孝(著) PHP研究所

日本の会議を根本的にクリエイティブなものに変えたい。
会議とは本来爽快なものだということを知ってほしい。その一心で生まれた本。これまでの会議がダメであった理由をつきとめ、クリエイティブな会議のスタイルを具体的に提案する。


サマリー

日本経済をダメにしている元凶は会議だ。これまでの経験を振り返ってみれば、みな納得できるはずだ。

会社や役所や学校だけではなく、マンションの運営会議、町内の寄り合いやサークルなどありとあらゆる会議が日々行われている。だが、どれも爽快な充実感が残らない。

こうした現状を抜本的に変えたいなら会議革命を起すべきだ。これは、マッピング・コミュニケーションという対話スタイルで進める会議のことだ。

このスタイルをとると、会議の参加者は全員ゴールに向かって努力することになる。そのためプロセス全体を楽しむことができるようになる。

また全員が全力を出し切った感覚を持つことができ、それをお互いに共有しあうことができる。そのため社内の結束が高まる。


まずは会議革命前の前段かとして欠かせない10の法則を紹介する。

  • 法則 1「とにかくアイデアを出す」
  • 法則 2「結果の出やすいテーマ設定をする」
  • 法則 3「三色に色分けして聞く・話す」
  • 法則 4「インスパイア・アイテムを用意する」
  • 法則 5「身体のモードを切り替える」
  • 法則 6「他人の脳ミソを使う」
  • 法則 7「ホワイトボードに書き込む」
  • 法則 8「スポーツ感覚で臨む」
  • 法則 9「全員の顔が見える位置に座る」
  • 法則10「何かを決めてから会議を終える」

次にアイデアを出すことを習慣にするための、簡単かつ場所を選ばないメソッドと、それに基づく会議スタイルを提起する。

第1の革命は「ポジショニング」だ。会議は普通ある程度の人数で、同時に行われてきた。しかし会議革命後は、会議の基本単位を2人にする。そこで話し合い生み出したアイデアを全体でシェアする。

なお2人は直角2等辺三角形に座る。こうすることで互いの距離が近くなった感じになり親密な感情を持てる。このような島を部屋の中にいくつも作る。

第2の革命は「キーワード・シート」だ。これは会議で決めるべきことをキーワードで一枚の紙に記入したものだ。会議リーダーが事前に用意し各組に配布しておく。

会議中は2等辺三角形の2人の間で共有し、この上に2人の話し合いの過程を書き込んでいく。後で他の組もこのシートを見て2人が脳みそをフル活動させた結果をシェアする


第3の革命は「マッピング・コミュニケーション」だ。自分の考えや相手の言ったことをキーワードとして、キーワード・シート上に並べていく。メモしながら持てるアイデアのすべてを出し尽くす。

最後に秩序立てる。重要度の順位をつけ赤のボールペンでチェックしていく。キーワード間の関係を矢印とか、対立するという意味の反対マークの矢印で書き表していく。

特に自分の主観で面白いと思うことは緑色のボールペンでどんどん書き足していく。

こうして思考のプロセスを形にしていくと、カオスだった思考が、ある秩序を持って立ち現れてくる。


この会議スタイルでは、相手の言ったことを理解してメモせねばならないし、自分の発想を搾り出すため、コミュニケーション力が鍛えられる。

また2人で進めるので一人では思いつかないアイデアが生まれる。これまでのように、一人が言うことを全員で聞くわけではないし、時間をはじめから決めておくため、時間を節約することにもなる。

時間内に自分の能力を出し切ることになるため、ストレスは減る。さらに、マッピング・コミュニケーションは一般論、抽象論では続かないため話が一般論に傾くことがなくなる。そのため会議の論点をはずすこともなくなる。

これまでの実績でも、互いに引出しあうことで新しいアイデアが生まれ、親近感を持ってコミュニケーションできた。

また笑い声がたくさんでた。上下関係が色濃く支配する重苦しい空気の中で、押し黙っている陰鬱な時間とは正反対の、明るいアクティブな空気が全時間を通して流れた。

コメント

日本の会議を根本的にクリエイティブなものに変えたい。会議とは本来爽快なものだということを知ってほしい。その一心で生まれた本。これまでの会議がダメであった理由をつきとめ、クリエイティブな会議のスタイルを具体的に提案する。

「会議の革命?大げさな、たかが会議じゃないか」と思う向きも多いだろう。その考え自体がすでに問題です。これを読めば、今の会議が堪えがたくなるはずだ。そして本書の提唱する、クリエイティブな会議をやってみたくなるはずだ。

著者も冒頭から怒っているように、本当にムダな会議って多い。召集するほうは安易に集める。「定例だから」というだけの理由で行われる。しかしくだらない会議への参加は苦痛以外の何者でもない。

会議は、参加している時間が無駄であるだけでなく、それに付随する業務も膨大だ。根回し、リハーサル、下打ち合わせ、資料作りなど、生産性ゼロどころかマイナスの業務のオンパレードだ。

アメリカには、会議のコストを自動的に算出して掲示板に表示する機械を会議室に設置している会社があるという。時間の経過とともにその費用がどんどん増えていくのが一目でわかるそうだ。日本の会社がその時計を入手して会議室に設置したら、どういうことになるのか。考えただけで恐ろしい。

記事提供:藤井 孝一ビジネス選書&サマリー