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不動産所得があるサラリーマンの貸付物件が火災で焼失した場合の処理
Q
私は、サラリーマンですが、給与所得の他に、2軒の貸家の家賃収入による不動産所得があります。本年の5月にそのうち1軒が火災に遭い焼失しましたが、火災保険を掛けていたので、保険金に自己資金を加えて貸家を新築しました。現況等は以下の通りですが、この場合に適用が考えられる所得税法上の取扱いはどのようになるでしょうか?
[現況]
貸家の被災直前帳簿価額 375万円- 貸家の被災直前時価 625万円
- 貸家の被災直後時価 0円
- 災害等関連費用 12万円
- 受取火災保険 500万円
- 新築の貸家の取得価額 850万円
A
不動産貸付が事業的規模以外である場合の貸付物件の災害による損失は、雑損控除の対象となります。ただし、納税者の選択によって、不動産所得を限度として、不動産所得の必要経費に算入することもできます。
(1)雑損控除の場合
損失の金額(625万円-0円)+12万円-500万円=137万円
(2)不動産所得の必要経費の場合
資産損失額(375万円-0円)-500万円=△125万円→0円
従って、資産損失額の金額はないことになり、必要経費に算入する金額は、災害等関連費用の12万円となります。
なお、火災保険金により生じた差益の125万円は、突発的事故により資産に加えられた損害に基因するものであり非課税となります。
一定の金額をこえる雑損失は納税者の担税力を弱めるという考え方に基づいて雑損控除が認められており、所得税法72条において以下のように規定されています。
居住者又はその者と生計を一にする配偶者その他の親族でその年分の課税標準の合計額が基礎控除以下であるものの有する資産(生活に通常必要でない資産、たな卸資産、事業用固定資産・繰延資産、山林を除く。)について災害又は盗難若しくは横領による損失が生じた場合(災害等関連支出をした場合を含む)において、その年におけるその損失の金額(災害等関連支出を含み、保険金、損害賠償金等により補填される部分の金額を除く。)の合計額が、足切額(原則としてその居住者のその年分の課税標準の合計額の10分の1相当額)をこえるときは、そのこえる部分の金額をその居住者のその年分の課税標準から控除します。
今回の場合貸家2軒ということで事業的規模以外に該当します。
従って、不動産所得又は雑所得を生ずべき業務の用に供され、これらの所得の基因となる資産について災害・盗難・横領による損失が生じた場合には、業務用資産に係る資産損失の必要経費算入と雑損控除の両方の適用要件を充足するため、いずれかを選択して適用を受けることができます。
(3)新築の貸家の取得価額
法人税法のように保険差益の圧縮記帳の制度はありませんので、新築の貸家の取得価額は実際の取得価額850万円となり、これを基礎として減価償却を行うこととなります。
税理士 藤田博司
[2009年10月8日 掲載]
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