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最新税務Q&A

収益計上における権利確定主義について

Q

当社は輸出取引を業とする会社です。当社の輸出取引は、当社において輸出商品を船積みし、運送人から船荷証券の発行を受けた上、商品代金取り立てのための為替手形を振出して、これに船荷証券その他の船積書類を添付し(いわゆる荷為替手形として)、これを銀行で買い取ってもらいます。
そして当社では荷為替手形を取引銀行で買い取ってもらう際に船荷証券を銀行に交付することによって商品の引き渡しをしたものとして荷為替手形の買取時点において、その輸出取引による収益を計上しています。これは認められるのでしょうか。

A

収益をどの事業年度に計上すべきかは、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従うべきであり、収益は実現があったとき、すなわちその収入すべき権利が確定したときの属する事業年度の益金に計上すべきものと考えます。

益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがある場合を除き、その年において実現した収益、すなわち、まだ収入がなくても「収入すべき権利の確定した金額」のことであり、従ってこの規定は広義の発生主義のうち、いわゆる権利確定主義を採用したものであると一般に解されています。この権利確定主義を採用している理由は、以下のとおりです。

  1. 今日の経済取引においては、信用取引が支配的であるから、たとえ現実の収入がなくても収入すべき金額が確定すれば、その段階で所得の実現があったと考えるのが合理的であること。
  2. 現金主義のもとでは、租税を回避するため、収入の時期を先に引き延ばしあるいは人為的にその時期を操作する傾向が生じやすいこと。

輸出取引においては、既に商品の船積時点で売買契約に基づく売主の引渡義務の履行は、実質的に完了したものとみられるとともに、売主は商品の船積みを完了すればその時点以降はいつでも、取引銀行に為替手形を買い取ってもらうことにより、売買代金相当額の回収を図り得るという実情にあるので、船積時点において売買契約による代金請求が確定したものとみることができます。

従って、荷為替手形を取引銀行に買い取ってもらうことにより現実に売買代金相当額を回収する時点まで待って収益を計上するのは、その収益計上時期を人為的に操作する余地を生じさせる点において一般に公正妥当な会計処理基準に適合するものとはいえず、認められません。そのため、輸出取引による収益計上については船積時を基準として収益を計上する基準が妥当と考えられます。

税理士 藤田博司
[2009年4月9日 掲載]


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