住宅貸付の際の課税区分は?
Q
私はB社(課税事業者)のオーナー社長です。B社はCビルの一室に本店を置いて事業を行っていますが、仕事が昼夜を問わず忙しいため、自宅である賃貸マンションの一部(面積割合30%程度)をD事務所として使用しようと考え、大家さんとの交渉により賃貸人をB社に名義変更してもらいました。消費税についていくつか質問があります。
D事務所の名義変更の際には、使用目的をB社社宅として契約し、一部事務所として使用することは大家さんに報告していません。B社が支払った家賃の取扱いは?- D事務所には駐車場が付随していますが、家賃と駐車場の金額が区分されているわけではなく、駐車場契約を希望しない入居者の物件に付随する駐車場は、近隣住民に月3万円程度で貸し付けているようです。
- Cビルの賃貸借契約の際に権利金を支払っていますが、当期償却費は15万円です。その他、保証金30万円を支払っていますが、1年に10%ずつ、返還不要が確定し、保証金の半分に達するまで返還不要部分が増額する契約になっています。
A
- 居住用建物の賃貸借は非課税取引となります。この事例の場合には、使用実態を見た場合には一部事業用として使用していますが、消費税では、あくまでも契約書ベースで判断しますので、賃貸借契約で居住用とされていれば非課税取引となります(消費税法基本通達6-13-8(注))。
消費税の課税区分は取引相手の双方について別々に規定されているわけではなく、取引自体の課税区分を規定しています。取引実態に合わせB社が課税仕入れとして処理したとしても、賃貸人はその実態を知るすべも無く非課税売上として処理することが想定されますから、このようなケースでの両者のバランスを配慮した取扱いと考えられます。
[1]のとおり、基本的にD事務所家賃は非課税仕入に該当します。ところが、この家賃の中には駐車場代が含まれているとのことです。基本的に駐車場の貸付は住宅の貸付に該当せず、課税仕入として取り扱われます。ただし「集合住宅に係る駐車場で入居者について1戸当たり1台分以上の駐車スペースが確保されており、かつ、自動車の保有の有無にかかわらず割り当てられる等の場合で、住宅の貸付けの対価とは別に駐車場使用料等を収受していないも」は非課税取引とされます(消費税法基本通達6-13-3)。今回のケースでは駐車場契約を希望しないことも可能ですので、駐車場代と認められる金額については課税仕入に該当することになります。- 消費税では、権利金は権利の設定の対価であり、考え方としては家賃の追加払いともいうことができます。この場合、家賃が課税取引なら権利金も課税取引であり、家賃が非課税取引なら権利金も非課税取引として取り扱われます(消費税法基本通達5-4-3)。
今回のCビル家賃は課税取引であるため、権利金も課税取引となります。なお、権利金は途中解約でも返還されないのが一般的であり、契約により返還不要が確定した時点で仕入税額控除を行うことになります(消費税法基本通達9-1-23)。
保証金の償却に関しても、同様の考え方で返還不要が確定した日(その返還しないこととなった日の属する課税期間)で仕入税額控除を行うことになります。
従って、権利金償却と保証金償却は同じ償却でありながら、仕入税額控除を行うタイミングが違うことに注意が必要となります。
税理士 高橋 勤也
[2008年3月27日 掲載]
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