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個人事業者の仕入税額控除

Q

私(A)は個人で卸売業を営んでいる課税事業者(原則課税)です。業績不振で悩んでいますが・・・消費税の仕入税額控除についていくつか教えてください。

  1. 商売の借入金返済のため、家庭で使用していた車両(事業割合はゼロです)を売却しました。
  2. 商売で取り扱っている棚卸資産(パソコン、時価15万円)を、長男の高校入学祝いにプレゼントしました。
  3. 妻名義の建物を店舗として使用していますが、家賃として月15万円を妻に支払っています。妻は青色専従者として給与も支払っています。
  4. 上記の店舗は、妻の父の相続財産(現金)で当年に購入した新店舗です。
  5. 店舗新装に伴い、家庭で使用していた机などを商売用に転用したものがあります。
  6. 売上も飛躍的に増加してきたのですが、突然、大きな病気が見つかったため、一旦商売を廃業し、数年後に再起しようと考えています。商品在庫300万、事業用資産は総額500万円ほどありますが、とりあえず在庫セールで一掃処分するつもりです。

A

これらは、個人事業者特有の問題といえます。

[1]
家庭で使用していた車両の売却は課税対象外取引となります。消費税の課税対象となる取引は「事業者が事業として」行ったものに限定されるため、その車両の売却が事業資金の調達のために行われたものであっても、事業として行われたものではありませんから、課税対象外取引となります。ただし、事業用車両を売却した場合には、「事業活動の一環」として行われたものとされ、課税対象取引となります(消基通5-1-7)。

[2]
自家消費の問題となります。消費税法28<2>一においては、個人事業者の家事消費等は原則として時価による課税取引として取り扱うこととされています。ただし、その資産の課税仕入れの金額以上の金額で、かつ、通常の取引価額のおおむね50%以上の金額で確定申告した場合には、その金額でも認めることとされています(消基通5-1-7)。
従って、パソコンの仕入価額が7.5万円以下である場合には、課税売上高を7.5万円以上で申告した場合には認められることになります。

[3]
妻に対して支払った家賃は課税取引となり、仕入税額控除が認められます。ただし、所得税法上は、同一生計親族が事業から支払を受ける対価(所得税法56条)規定により、必要経費に算入されませんから注意が必要となります。

[4]及び[5]
新店舗の購入は、たとえAさんの事業の用に供したとはいえ、事業者自らが行った課税仕入れとはいえないため、Aさんの課税仕入には該当しないことになります。つまり、消費税法では、課税仕入を「事業者が、事業として他の者から資産を譲り受け・・・」と定義しており、「事業者」自ら行ったものではないためです。
また、上記の定義から、[5]の家庭用の机の事業用への転用も「他の者から」に該当しないため、Aさんの課税仕入には該当しないことになります。
一方、妻が課税事業者に該当する場合には、新店舗の購入は課税仕入に該当することになります。

[6]
事業用資産は、事業の廃止に伴って事業用資産に該当しなくなった時点で、家事のために使用又は消費したものとして取り扱われます。従って、実際に廃業となった場合には、事業用資産は時価で課税売上に計上しなければならないことになります。

税理士 高橋 勤也
[2008年2月29日 掲載]


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