収益の計上時期について
Q
当社は情報機器の販売の他、請負型のシステム構築も行っていますが、収益の計上時期について教えてください。
A
売上の収益計上時期に関する法人税法上の取扱いは以下のとおりとなっており、「引渡し」や「役務の完了」を具体的にどのように認識するかがポイントとなります。
(1)棚卸資産の販売による収益の額は、その引渡しのあった日とする。
(2)請負による収益の額は、その目的物の全部を完成して引渡した日、または役務の全部を完了した日とする。
貴社の業務のうち情報機器の販売については、上記(1)の棚卸資産の販売に該当すると考えられますので、その引渡しがいつであるかについて一定の基準を設け収益を計上する必要があります。店頭で顧客に直接商品を渡すような場合は、この基準について議論する余地はありませんが、遠隔地の顧客に発送したり、顧客の側で商品到着後検品を行うなどのケースもありますので、商品を出荷した日を基準とする(出荷基準)や、先方の検収の日を基準とする(検収基準)などが考えられます。引渡しが行われている場合には、販売代金が確定していない場合でもその金額を適正に見積もって収益計上する必要がありますので留意が必要です。たとえば当事業年度に見積金額で収益を計上し、翌事業年度に金額が確定して見積金額と差額が生じた場合には、その差額については翌期の益金の額または損金の額に算入することになります。
またシステム構築などの請負業務については、物の引渡しを必要とせず役務の提供だけで完了する上記(2)に該当すると考えられます。この場合、原則として役務提供の全部を完了した日に収益を計上するとされていますので、作業報告書を先方へ提出するなど請負業務を完了・納品した時点で収益を計上します。ただし請負の一種である設計や技術指導等についての報酬のように人的役務の提供を内容とするもので次に該当する場合には、部分的に収益が確定したと考えられるため、その確定した日の属する事業年度の益金としなければなりません。
ア. 報酬が人数等を基準に日数、月数などで決定され、一定期間ごとにその額を確定させて支払を受けることになっている部分の金額。
イ. 設計などの請負で一定の段階ごとに区分され、しかもそれぞれの段階の作業を完了する都度その報酬の額を確定させて支払を受けることとなっている部分の金額。
収益の計上基準は上記のとおりですが、公正妥当な会計処理の基準であることが求められますので、法人は契約の内容に即した合理的な基準を設定しなければなりません。したがって合理的な理由がある場合には、一法人で二つ以上の異なる引渡基準を採用することもできます。また収益の計上基準として特定の基準を採用した場合、利益調整等のためにみだりにこれを変更することは認められませんので、継続してその基準を適用する必要があります。ただし基準の変更について合理的な理由がある場合にまで変更を認めないのは逆に妥当ではないので、その場合には変更が認められます。
公認会計士 藤田 博司
[2007年9月13日 掲載]
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