外貨建債権の期末の処理
Q
当社は当事業年度から海外法人を得意先として持つようになりました。海外法人との取引は外貨で行っており事業年度末において外貨建の売掛金がありますが、決算時にはどのような処理が必要ですか。
A
外貨建取引を行った場合、当該外貨建取引の金額の円換算は当該取引を行った時点の為替レートによって換算します。ここでいう外貨建取引の範囲ですが、外国通貨で支払いが行われる資産の販売及び購入、役務の提供、金銭の貸付け及び借入れ、剰余金の配当その他の取引を含みます。質問にある外貨建の売上取引は上記外貨建取引に含まれますので、各売上取引については各取引を行った時点の為替レートにより円換算を行います。
次に上記取引の結果、事業年度末において外貨建の売掛金を有している場合、当該外貨建債権の円換算額については次の<1>から<3>の方法から選択した方法によって換算します。
<1> 当該外貨建債権が発生する基因となった外貨建取引を円換算する際に使用した為替レートによって、当該外貨建債権の円換算額を算定する(発生時換算法)。
<2> 事業年度末時点における為替レートによって、当該外貨建債権の円換算額を算定する(期末時換算法)。
この方法によった場合、期末レートによって換算した金額と当該外貨建債権の帳簿価額との差額(為替換算差額)については、当該事業年度の所得金額の計算上、益金の額または損金の額に算入します。翌事業年度においては、当該金額を損金の額または益金の額に算入するとともに、外貨建債権の金額に当該金額を減算または加算します。したがって、二つの事業年度を合算して考えれば<2>の所得金額の計算は<1>の処理の場合と同一になりますし、また翌事業年度開始時点の外貨建債権の金額も<1>、<2>で同一となります。
<3> <1>の方法によって計算している場合でも、為替レートが著しく変動した場合は、帳簿価額を期末時換算額によって置き換えて記載する時は、<2>の方法によって算定することができます。
なお、為替レートが著しく変動した場合とは、それぞれの外貨建債権について次の算式により計算し、その割合がおおむね15%以上となる場合をいいます。
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<3>の処理は実質的に<2>の処理と同一ですので、<1>の処理との比較は上記のとおりです。
換算方法については法人が選定した方法によって行うことができますが、選定しなかった場合は、<1>の方法によって換算します。対象となる外貨建債権をはじめて取得した場合は、その日の属する事業年度の確定申告書の提出期限までに、採用する換算方法を届けなければなりません。
もし換算方法を変更しようとする場合は、新しい換算方法を採用する事業年度開始の日の前日までに申請書を提出して税務署長の承認を受ける必要がありますが、一度採用した換算方法を相当期間継続して使用していない場合や、変更後の換算方法がその法人の課税所得の計算にふさわしくないと税務署長が認める場合は、申請が却下されますので留意が必要です。
公認会計士 藤田 博司
[2007年8月9日 掲載]
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